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日本政治史の中のリーダーたち の商品レビュー

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2018/10/03

本書は、近代日本(幕末維新期から第二次世界大戦期)の政治史を対象とした論文集であるが、個々の論文をより大きな枠組み(第Ⅰ部では近代日本政治の秩序変容とリーダーの役割という観点、第Ⅱ部では近代日本政治の中でのリーダーシップという観点)の中に位置づけることで近代日本政治のリーダーたち...

本書は、近代日本(幕末維新期から第二次世界大戦期)の政治史を対象とした論文集であるが、個々の論文をより大きな枠組み(第Ⅰ部では近代日本政治の秩序変容とリーダーの役割という観点、第Ⅱ部では近代日本政治の中でのリーダーシップという観点)の中に位置づけることで近代日本政治のリーダーたちと時代像を描き出すことを試みている。 いずれの論文も人物に焦点を当てた実証的な政治史の論文であり、歴史を鑑にするという点で、現代の政治を考える上でも参考となる内容だと思われる。 ただ、第Ⅱ部の全体的な論調は、ちょっとリーダーシップを図式的に捉えすぎている、あるいは単純化しすぎているようなきらいがあった。特に、総論における、編者の研究対象である伊藤博文などは総じて優れたリーダーシップを発揮していたのに対し、今回取り上げられた5論文の対象人物はいずれもリーダーシップに劣るところがあったというような構図での論述にそれを感じた。

Posted byブクログ