MRIに強くなるための原理の基本やさしく、深く教えます の商品レビュー
頭部MR画像を見た時に「(DWIで)すっげえ白くなってる、(脳梗塞って)ハッキリわかんだね」。こんな診療していませんか? この本を読めばもっとエレガントで一歩上の画像診断ができるようになる……かもしれません。 さて、「MR画像が読めない……まず信号の高低が何を意味しているのかわ...
頭部MR画像を見た時に「(DWIで)すっげえ白くなってる、(脳梗塞って)ハッキリわかんだね」。こんな診療していませんか? この本を読めばもっとエレガントで一歩上の画像診断ができるようになる……かもしれません。 さて、「MR画像が読めない……まず信号の高低が何を意味しているのかわからない。シーケンス(T2強調像とか、FLAIRとか)ってなんだ?水が白くなる?だから何?」 というような医学生や初期研修医は少なくないと思います。僕もそうでした。 じゃあ原理から理解するしかない!と意気込んだポリクリ時代。見つけた本は、なんと、いずれも「スピンが倒れて〜」「プロトンが拡散して〜」「磁場をかけてテスラが〜」と遥けき彼方に置いてきた物理(とちょっと化学)の知識を要求してきたのです! 物理や数学がからっきしな僕はそれがトラウマになり、「もうMRなんて知らない!」と拗ねてしまいました。 しかし研修医を済ませて専攻医になると、「MRなんて全然知らないっす、へへへ……」とばかりも言っていられません。そこでこの本に縋ることにしました。 著者の山下先生からして「物理がニガテ(前書きより)」とのことで、本当に基本の基本、「プロトンは回転してるんだよ!」というところから本書は始まります。 そこから物理・数学嫌いの人間が投げ出さないよう懇切丁寧に、しかし着実に、MRの原理の解説が進みます。 そしてひとしきり読み終わった頃には、「え?あの病院頭部MR撮ってもADC-map作成してないんだ。ふーん(笑)」などと嘯く「デキる」医師になれるかもしれません。 とにかく高校時代・なんなら中学時代から物理や数学に苦手意識を持っていて、大学の教養課程でもこれらの科目で単位を落としかけたような学生・諸先生方には是非是非お勧めしたい一冊です!
Posted by
- 1