アメリカ史のなかのアーミッシュ の商品レビュー
アーミッシュ裁判の研究をしている人だが、元々はアーミッシュ言語の研究者だったらしい。そして今回は歴史編ということなのだが、かつてのアメリカのメジャー言語、ペンシルベニア・ジャーマンについて書いていたのもこの著者だったかな。啓蒙の意図はなかったのだろうが、色々と勉強になる。どんな少...
アーミッシュ裁判の研究をしている人だが、元々はアーミッシュ言語の研究者だったらしい。そして今回は歴史編ということなのだが、かつてのアメリカのメジャー言語、ペンシルベニア・ジャーマンについて書いていたのもこの著者だったかな。啓蒙の意図はなかったのだろうが、色々と勉強になる。どんな少数派だって、一枚岩ではないのは当然だが、アーミッシュの場合、そうした部分は見えにくい。電話を使うアーミッシュも工場務めのアーミッシュも政治参加するアーミッシュもいるという。言語も別にドイツ語が教義で定められているのではなく、閉鎖環境であるから保持されてきたに過ぎないそうだ。人口が増えるのも子どもが多いからであって、この辺はイスラム教徒と同じである。棄教が許されないのも同じだが、アーミッシュは幼児洗礼を認めていないので、自然人としてのアーミッシュはいないということになる。アーミッシュという呼称の由来はヤコブ・アマンという創始者なのだが、この人がアーミッシュの間で崇拝の対象になっていることはない。改革派教会から再洗礼派に改宗した人だそうだが、そのことがより原理主義的傾向になった要因ではあろう。
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