リーダーシップは誰でも身に付けられる の商品レビュー

伊藤俊幸(著者)

2019/02/04

海上自衛官であった著者が、体験してきたリーダーシップについて述べた本。優れたリーダーシップは、立派な人格者でなければできないのではなく、誰でもできるということを強調している。具体例も多く、わかりやすい。
「常時ワンマンな姿勢でいると、逆に組織にとってリスクが高くなるのです。なぜなら絶対君主一人状態が長引くと、周囲にイエスマンしかいない組織体に成り下がってしまいます。その結果、現場レベルで察知した危機や疑義や課題について自分たちで主体的に考えることをやめてしまい、進言をしなくなるからです」p23
「（五省）不誠実なことはしなかったか、言動に反省すべき点はなかったか、気力は十分だったか、努力を惜しまなかったか、怠けることはなかったか」p110
「（孔子）己の欲せざる所、人に施すなかれ（自分がされたは不快なことを人にするな）」p114
「万人に好かれることは難しいが、万人に嫌われないことは心がけ次第で可能」p115
「怒りの感情が湧いたら、６秒間だけぐっと我慢し、口を開かないことが大切です」p129
「他人に対して「なぜ」という言葉を安易に使わないことです」p131
「（防災訓練）訓練をしている最中に不測の事態を五月雨式に与え、防災担当者たちが「まずい、どうしよう」と思うくらいの状況に追い込んで、初めて生きた訓練になるのです」p166
「（ロバート・キーガン成人発達理論）発達の段階１：具体的思考段階（子供の段階）、２：利己的段階（10%）自分のことしか考えない、３：習慣的段階（70%）他者による決定やルール、価値観で動く。受け身で空気を読むことに長けたサラリーマン、４：自己主導段階（20%）自分が確立されており、自ら意思決定と実行ができる。企業家などプロフェッショナル、５：自己変容・相互発達段階（1%未満）多様な価値観を受容しながら最適解を導き出せる。一流経営者など」p189