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宿命 の商品レビュー

3.9

21件のお客様レビュー

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2019/01/11

このようなことがあっていいのかと思った。 中村泰のことは、週刊新潮の記事を読んだ時から、へー、と思っていた。あれから15年も経っていたことを今回知り、そのことが個人的にショックだった。へー、と思っただけで、その後も結局どうなったのか、なんの関心もないまま今日まで来た。 淡々と著者...

このようなことがあっていいのかと思った。 中村泰のことは、週刊新潮の記事を読んだ時から、へー、と思っていた。あれから15年も経っていたことを今回知り、そのことが個人的にショックだった。へー、と思っただけで、その後も結局どうなったのか、なんの関心もないまま今日まで来た。 淡々と著者は書いておられるが、「無念」に押しつぶされることはないのだろうか。 この著作で、たくさんの人が真実を知り、真犯人も他の事件ではあるが無期懲役で刑務所にいるわけだから、いいのだろうか。 著者がこのように書物として著される力のある方で良かった。 23年他の事件も扱いながら、第一線でご活躍されたこと、ありがたく思う。 それにしても、こんなことがあっていいのか。私の知らないところで、こんなことはいっぱいあるのだろうな。いやだ。いやだ。

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2019/01/23

オウムによる数々の犯罪を許し、長官銃撃事件を闇に葬った挙句証拠のない団体に罪をなすりつけた公安。 事件を未然に防ぐという本来の職分は果たさず、起こった事件すら解決しない。 何だこの部署。

Posted byブクログ

2018/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大切なのは事実を突き止め、犯人を検挙することなのか、組織のメンツなのか。公安の中の誰が何にどうこだわってこういう結果になったのか。自分(たち)、組織がやったことに対して恥じる気持ちはないのか。 結局、事件は時効を迎えてしまうのだけれど、そうじゃなかったとしたら「オウム真理教の誰かしらが犯人」ということにして、無理矢理、やってもいないことでオウム信者を有罪にしたのだろうか……。 時効になったことがまだましだったかもなんて、とても残念。 こういった著作物が刊行されたことに、日本にまだ一抹の希望を感じるけれど。

Posted byブクログ

2018/10/09

95年國松警察庁長官狙撃事件の捜査を担当した元刑事の捜査記録。地下鉄サリン事件の直後に発生したこの事件は犯行声明があったこともあり当初よりオウム真理教の関与が疑われ公安部主導で捜査していたが刑事部は別の容疑者を割り出した。2010年時効が成立し本事件は未解決のまま終了となったがこ...

95年國松警察庁長官狙撃事件の捜査を担当した元刑事の捜査記録。地下鉄サリン事件の直後に発生したこの事件は犯行声明があったこともあり当初よりオウム真理教の関与が疑われ公安部主導で捜査していたが刑事部は別の容疑者を割り出した。2010年時効が成立し本事件は未解決のまま終了となったがこの時効は公安のオウム説を変えられない警察内部の事情によるものという。日本警察の捜査力と組織内力学上のポジとネガを浮き彫りにする歴史の記録。

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2018/09/25

1995年に起きた國松孝次警察庁長官狙撃事件。犯人を挙げられないまま、2010年に時効を迎えた。オウム真理教の関与を疑っていた警視庁公安部に対し、捜査一課の刑事・原は「中村泰」なる人物に焦点を当て捜査を進める。自供を引き出し、数多くの証拠を積み上げていく原であったが・・・ NHK...

1995年に起きた國松孝次警察庁長官狙撃事件。犯人を挙げられないまま、2010年に時効を迎えた。オウム真理教の関与を疑っていた警視庁公安部に対し、捜査一課の刑事・原は「中村泰」なる人物に焦点を当て捜査を進める。自供を引き出し、数多くの証拠を積み上げていく原であったが・・・ NHKスペシャルを見て図書館へ。ここまでの証拠と自供があるのに逮捕しないというのは、腑に落ちない。うがった見方をすると、警察の思惑で犯罪は犯罪ではなくなると思ってしまう。

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2018/09/25

結局、公安警察としては2018年7月に13人の死刑執行によってオウム真理教に対する国家意思を貫徹した。この事件が死刑の構成要件にならなかったとしても。であれば、わざわざ時効時点でオウム真理教の犯罪だと断定発表を行う事の意味が判らない。公安組織の保身故であろうか? 中村泰が最初に...

結局、公安警察としては2018年7月に13人の死刑執行によってオウム真理教に対する国家意思を貫徹した。この事件が死刑の構成要件にならなかったとしても。であれば、わざわざ時効時点でオウム真理教の犯罪だと断定発表を行う事の意味が判らない。公安組織の保身故であろうか? 中村泰が最初に警官射殺を行なった時代は武装共産党が方針変更した六全協後に位置する為、まだまだ警察に対する反抗心は健在であった。それが終身刑であっても服役19年で釈放された理由の様に思われる。中村泰の行動は表面的には銀行強盗であるが、奪取した金は偽名旅券による海外渡航やマシンガンを含む銃器蓄積であった。このあたりは70年代始めの赤軍のM作戦と酷似しており、本人も自称革命家と名乗ったりチェ・ゲバラのゲリラ戦を中心にした武装革命に心酔している事から精神の情動としては、武装工作の一環として位置付けていたのだろうと推察する。 ともあれ、時代の裏側を真っ当に生きた稀有な人物と評価する。著者が調査した事実は真実であると確信する。この本を上程する事により(公安警察とは逆の方向ではあるが)、刑事警察の結論を提出したと言えよう。貴重な記録である。

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2018/08/01

OBとはいえ元警察幹部がこのような著作を上梓して大丈夫なんでしょうか、と思うほど衝撃的内容。勿論プロ作家ではないのでノンフィクション作品としての出来はおいて、後世に残る記録作品だと思います。公安捜査ゆえに真犯人の特定とそれに対する刑罰はくだりませんでしたが、客観的事実を後世に残し...

OBとはいえ元警察幹部がこのような著作を上梓して大丈夫なんでしょうか、と思うほど衝撃的内容。勿論プロ作家ではないのでノンフィクション作品としての出来はおいて、後世に残る記録作品だと思います。公安捜査ゆえに真犯人の特定とそれに対する刑罰はくだりませんでしたが、客観的事実を後世に残したという記録的価値は十分あると思います。

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2018/07/02

警察庁長官狙撃事件で、刑事部が自白による供述調書を50通も作成した人物がいながら、オウム真理教の犯行という筋書きに固執した公安部に押し切られた格好で時効を迎えていたという事実にも驚いたが、その人物が、ゲバラに憧れ、私兵部隊を組織しようと目論んでいた経歴と実行力を併せ持つオールドテ...

警察庁長官狙撃事件で、刑事部が自白による供述調書を50通も作成した人物がいながら、オウム真理教の犯行という筋書きに固執した公安部に押し切られた格好で時効を迎えていたという事実にも驚いたが、その人物が、ゲバラに憧れ、私兵部隊を組織しようと目論んでいた経歴と実行力を併せ持つオールドテロリストだったという事実に度肝を抜かれた。

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2018/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

筆者の真相解明に向けた執念を強く感じる。面白い本を目指したのではなく、事実に忠実に向き合おうとする態度に、読んでいて共感を覚えた。

Posted byブクログ

2018/05/28

警察庁長官狙撃事件捜査班の裏幕暴露本。鹿島圭介著「警察庁長官を撃った男」の副読本、あるいは補足と言った佇まい。「警察庁長官を〜」はジャーナリズムの力を思い知る内容だけど、本書は種明かしにしか過ぎなくて、内容の価値は認めるけど全く魅力も興奮も感じなかった。

Posted byブクログ