ゴーレムハーツ(2) の商品レビュー

大須賀玄(著者)

2022/02/26

随分前に1巻を買ったまま積んでいたものの、2巻は手に入れておらず、もう紙では無理かなと諦めかけていた。
が、なんと仕事先で立ち寄った書店の棚から見事に発見！奇跡的に新品で揃いました。
思い入れは深い作品。

ただ漫画としての感想は…不完全燃焼なのは仕方ないとは言え、そもそもの課題はたくさん。

画や設定の幼さから来る迫力・説得力不足と、色々なデザインが率直に言ってあまりカッコよくない。

リドルゴーレムの見た目はガリガリの魔人ブウの影響が強いかと思うが、出てきた瞬間ガッカリ。
また「魔導人形術　勇者」のデザインからはオリジナリティもこだわりも何も感じられず魅力的でない。最終話に登場したラスボス「人体移植ゴーレム　マンイーター」も最後の最後でミケーネ帝国の戦闘獣みたいなクソダサさ。

p48・49アデライーダの城門に磔となって死亡していたコンラートとナータンを発見するシーンも、作中において明確にノア達との対面を描写された初の死者な訳だが、衝撃や動揺や恐怖の表現が余りにも弱いので何らの感傷ももたらさない。
p58「人間が…埋め込まれてる……⁉︎」のコマも柱に埋められた被害者が6人しか描かれておらずスカスカだし。
何より、ランク上位陣達の戦闘描写がついに一コマたりとも描かれなかったので、何というか’正しいゴーレム戦闘とは’がついぞ明かされないまま完結してしまったのが残念。結局、所有ゴーレムが沈黙した場合に備えての戦闘能力を魔導学師自身は有していないのだろうか。

色々書きましたが、大須賀玄先生の2作目『ドロンドロロン』は評判が良いらしいので楽しみにしています。

1刷
2022.2.26