オリンピックへ行こう! の商品レビュー
三章立てで一章の卓球が6割程度のボリュームだったが、残念ことにこの話が一番苦手だった。著者が卓球好きなのか、試合中の描写が細かすぎて逆に困惑した。個人的には2番目の競歩の話が好き。
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卓球、競歩、ブラインドサッカーの選手を扱ったオムニバス。 筆者のいつもの緻密な描写で競技について淡々と書かれているのが少し冗長に感じる部分もあり 競技について知らない自分には理解が及ばない部分もありました。 競歩についてはいつもの真保さんの書き味に一番近いと感じました。 自分はサッカーの話が一番好きでした。
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「デパートへ行こう」から読み続けた「行こう」シリーズ。 ローカル線だったり、遊園地だったり、そこで働く人の矜持のようなものが感じられ、読み続け来たが、今作はオリンピックを目指すアスリートを描く3作が描かれる。 ちょっとしたパニック物の要素もあり、それが楽しくて、読み続けたシリーズ...
「デパートへ行こう」から読み続けた「行こう」シリーズ。 ローカル線だったり、遊園地だったり、そこで働く人の矜持のようなものが感じられ、読み続け来たが、今作はオリンピックを目指すアスリートを描く3作が描かれる。 ちょっとしたパニック物の要素もあり、それが楽しくて、読み続けたシリーズだったが、今作のイメージは今までの気軽な要素は無くなり、本格的な内容についていけなくなってしまった。 主人公の葛藤もあまり伝わらず、最後まで読むのが少ししんどいぐらい… このシリーズも、もう限界かな…
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「行こう」シリーズ第4弾。今回は『オリンピックに行こう!』である。これほどまでに4作とも作風がバラバラなシリーズも珍しいが、本作は、シリーズの過去作品はもちろん、真保裕一作品を知らない読者でも楽しめるだろう。 卓球、競歩、ブラインドサッカー。それぞれの競技で、世界最高のスポーツの祭典を目指す、アスリートたち。いずれも、自分はテレビでしか見たことがないが、テレビ画面からはわからない、駆け引きが繰り広げられているのだ。 本作中最も長い「卓球」。かつての暗いイメージはどこへやら、男女ともスター選手の登場により、すっかり人気スポーツになった。それだけに、五輪代表に入る競争は厳しい。一握りのスター選手の影で、多くの無名選手たちがひしめく。 ここまで卓球の駆け引きを熱く描いた作品があっただろうか。仕掛けるか、様子を見るか。どんな回転をかけるか。コンマ数秒間で読み、判断する。そんな超人たちだからこそ、あんな高速ラリーが成立するのである。素人にはすげえとしか言えない。 技術はもちろんだが、心理戦という要素が極めて強いことを知った。敵の顔がよく見えるだけに、動揺や弱気を気取られてはならない。卓球に限らないが、五輪代表の可能性がある限り、諦めず、しがみつく選手たちに、敬意を表する。 「競歩」。見た目の地味さと裏腹に、過酷な競技だ。50キロ競歩という長丁場での、卓球とは違う駆け引き、心理戦。目標のために、あらゆる犠牲を払ってきた。時には裏切りも。いかにも日本的な、スポーツ界の足の引っ張り合いに苦笑するが、それらにも打ち勝った者だけが、世界最高の舞台に届くのだろうか。 「ブラインドサッカー」。唯一、現役選手目線ではない点に注目したい。J1でもプレーした元サッカー選手。引退後も燻っていた彼が、ブラインドサッカーのチームに招かれた。盲目にも関わらず、ボールを追う選手たち。その姿が、元J1選手のハートに火をつけた。挫折を経験した彼なら、悩める逸材の才能を開花されられるだろう。 メダリスト以外注目されない、4年に一度の祭典。代表に選ばれるだけでも大変なことだし、その裏では無数の涙が流れている。そのことを、我々は忘れがちだ。
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