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闇に魅入られた科学者たち の商品レビュー

3.7

19件のお客様レビュー

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2024/09/08

科学者が悪行を行うに至った過程を調べた作品。 優生学などは当時どの国もありえたし、日本でも断種法などが合ったことは確か。 それを闇と例えるのは未来にいる今だからこそできることであり、当時正しいと思っていた事を誰かが疑っていたのか。 今、まさに正しいとされている事が正しいかど...

科学者が悪行を行うに至った過程を調べた作品。 優生学などは当時どの国もありえたし、日本でも断種法などが合ったことは確か。 それを闇と例えるのは未来にいる今だからこそできることであり、当時正しいと思っていた事を誰かが疑っていたのか。 今、まさに正しいとされている事が正しいかどうかをどう考えたらいいのだろうか。 このことを警告と捉えるなら、何ができるかを考えたいと思った。

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2024/08/19

テレビでも見たけど書籍化されてるのを知って読んでみた。 化学には光の側面と闇の側面があるという、当たり前のようで忘れがちなことを人間の負の遺産として残る人体実験の歴史をテーマに描かれている。 文章だとやや冗長な感じもあり、写真なども少なかったので面白さが伝わりきってない感じも...

テレビでも見たけど書籍化されてるのを知って読んでみた。 化学には光の側面と闇の側面があるという、当たり前のようで忘れがちなことを人間の負の遺産として残る人体実験の歴史をテーマに描かれている。 文章だとやや冗長な感じもあり、写真なども少なかったので面白さが伝わりきってない感じもあって少し残念。

Posted byブクログ

2024/08/04

この本には、ワクワクするような奇妙な話が詰まっている。人間がタブー視して目を覆いたくなるような、しかし、そこで暴かれる事は、まさに理性に抑えられる前の人間自身であり、そんな一面を持つという、普段隠しているような性質を白日のもとに晒す嫌悪感を感じながらも、怖いもの見たさを満たしてく...

この本には、ワクワクするような奇妙な話が詰まっている。人間がタブー視して目を覆いたくなるような、しかし、そこで暴かれる事は、まさに理性に抑えられる前の人間自身であり、そんな一面を持つという、普段隠しているような性質を白日のもとに晒す嫌悪感を感じながらも、怖いもの見たさを満たしてくれる。大人の性愛の存在を初めて知った幼少期の背徳みたいな。 人体実験が外科手術を飛躍的に向上させた。 切り裂きハンターと呼ばれたジョンハンターの話だ。ハンターは、ドナー(歯の提供者)を募り、歯わずかばかりの金を目当てに並んだ貧しい子供たちから健康な歯を引き抜き、その歯を新鮮なうちに貴族の歯茎に縛り付けた。移植された歯は、三年ももったという。他にも電気を用いて、心臓に刺激を与え蘇らせる「蘇生術」、温めた注射器に男性の精液を採って「人工授精」にも挑戦するなど、色々やっている。死体を解剖し、知識を身につけ、動物で試し、人体で試す。 他にはロボトミー手術の話やスタンフォード監獄実験など。スタンフォード監獄実験は有名だが、なんで学生がそこまで役にのめり込んだのか、本書はその実験を中断する所まで詳細が明かされていて興味深い。 デュアルユースとは軍民両用に使えるということだが、学問そのものがデュアルユースであると著者は述べる。科学技術もそうだし、権力がそもそもデュアルユースだが、宗教や倫理観もそうだ、と思う。

Posted byブクログ

2024/02/04

ジョンハンターさすがに魅力的すぎる ハンテリアン博物館いきたすぎ ジェンナーほんとに立派〜かっちぇ〜 1980年にタイムスリップしてこれたらいいのに 優生学、断種法すげー!一票 犯罪者は別にいいけどな、、障害者だけ 自然の産物だからダウン症を受け入れろ、社会が温かく見守れなんて...

ジョンハンターさすがに魅力的すぎる ハンテリアン博物館いきたすぎ ジェンナーほんとに立派〜かっちぇ〜 1980年にタイムスリップしてこれたらいいのに 優生学、断種法すげー!一票 犯罪者は別にいいけどな、、障害者だけ 自然の産物だからダウン症を受け入れろ、社会が温かく見守れなんてお花畑すぎん 自然の摂理を言うなら弱者は群れから見捨てられるし強者に食べられるし死ぬじゃん NHKいい仕事する

Posted byブクログ

2023/12/12

積読をようやく読了。NHKの番組『フランケンシュタインの誘惑』の書籍化。歴史に名を残す科学者の功績に潜む闇の部分に焦点を当てたこの番組はとても面白く、普段は理系の理の字もわからない自分も毎回夢中で見ていた。怪奇趣味的な好奇心もあったことを否めない私も読んであらためて反省。誤った研...

積読をようやく読了。NHKの番組『フランケンシュタインの誘惑』の書籍化。歴史に名を残す科学者の功績に潜む闇の部分に焦点を当てたこの番組はとても面白く、普段は理系の理の字もわからない自分も毎回夢中で見ていた。怪奇趣味的な好奇心もあったことを否めない私も読んであらためて反省。誤った研究、理論の影には何も知らない多くの人々(その中には子供も)の犠牲があるということ。 第1章「切り裂きハンター 死のコレクション」 外科医・解剖学者のジョン・ハンター(18世紀イギリス) 第2章「“いのち”の優劣 ナチス 知られざる科学者」 人類遺伝学者オトマール・フォン・フェアシュアー(ナチスドイツ) 第3章「脳を切る 悪魔の手術ロボトミー」 精神科医ウォルター・フリーマン(1940年代アメリカ) 第4章「汚れた金メダル 国家ドーピング計画」 医師マンフレッド・ヒョップナー(1960〜70年代東ドイツ) 第5章「人が悪魔に変わる時 史上最悪の心理学実験」 社会心理学者フィリップ・ジンバルドー(1971年アメリカ)

Posted byブクログ

2022/11/20

怖いもの見たさ ひとは自制心以外に興味があると惨虐なこともできる ホラーをみる気持ちなのか 扇動されたり、集団となれば非人道的なこともこれから起こりうる しかし、人間は良識のもとで動くべきだ

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2022/10/20

面白い内容だった。 ナチスが行ったユダヤ人を使った実験、そしてスタンフォードの監獄実験、残酷極まりないし、人の命をこんなにも簡単に切り捨てるのは本当に気が狂っていると思う。犠牲者の人は本当に運が悪かったとしか言いようがないし、自分がもし被験者の立場だったらと思うと背筋が凍る。 ...

面白い内容だった。 ナチスが行ったユダヤ人を使った実験、そしてスタンフォードの監獄実験、残酷極まりないし、人の命をこんなにも簡単に切り捨てるのは本当に気が狂っていると思う。犠牲者の人は本当に運が悪かったとしか言いようがないし、自分がもし被験者の立場だったらと思うと背筋が凍る。 さらに残酷なのは、その実験がその分野の医学が発達するきっかけになってしまったということだ。 ゲノム編集しかり、今までSF映画や漫画の世界での話としか思えなかった「作られた人間」が将来本当に誕生するかもしれない。神への冒涜、そんな未来は滅んでしまうのか。 便利さとは、正直、国の権力争いに有利というだけで、人々の生活には何も還元されないし、逆に生きにくくなっていく気がする。人の欲が人生の豊かさを奪っていく。そんなことを考えさせられる本だった。

Posted byブクログ

2022/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

聞いた事はあるけど、詳しくは知らない話が載っていた 科学者のこの世を良くしたいという善意の気持ちと権力者の民衆を納得させるための結果、2つが悪いように合わさるとドイツのドーピングの話のようになってしまうんだなと思った ドーピングについて知識がないので、まさかドーピングがホルモン投与とは知らず、ドーピングのせいで性別が変わってしまうとは…と驚愕だった 納得した上で投薬しているのであれば、選手も苦しまないだろうけど 今回載っていた話では予備知識なし、投薬しているという意識もなく騙したままドーピングをし、それを知らされた時に、栄光だと思っていた記録や思い出さえも汚される あってはならないことだ 人間を記録としてみてしまうとそうなるのだろうと 他、ルシファーエフェクトを読みたいと思っていたので、監獄実験ついての予備知識を得られてよかった 優生思想、現代でもまた問題になりそうなテーマで興味深い 過去にジョンハンターが行った手術やロボトミー手術があったことによって発展したことも少なからずあるのだろう、その恩恵をどこかで受けているのかと思うと複雑な気持ちになる あってはならないことだが、彼らがいたから進んだこともあると思うと… 純粋な善意も、方向を間違えばとんでもない悪意になってしまう 地獄への道は善意で舗装されているとはよくいったものだなと感心した

Posted byブクログ

2021/03/14

たまたまAmazonで見つけて購入した。 逐一調べながら読んでいったが、年号や日付などに若干怪しいところがあるため、星3つ。 内容としては悪くない。 もう一歩踏み込んだ内容であれば嬉しかったが、それぞれのテーマの入門であろうから、致し方ない。 科学の歴史から、科学そのものが抱える...

たまたまAmazonで見つけて購入した。 逐一調べながら読んでいったが、年号や日付などに若干怪しいところがあるため、星3つ。 内容としては悪くない。 もう一歩踏み込んだ内容であれば嬉しかったが、それぞれのテーマの入門であろうから、致し方ない。 科学の歴史から、科学そのものが抱える課題や矛盾を浮き彫りにする試みは成功している。 池内了の「あとがきにかえて」は現在の科学者が陥りがちな状況が端的に記されていて良い。科学の一部が善悪の二面性を持つのではなく、科学のすべてが二面性を持つと言える。科学的真理は善悪無記であるが、ゆえに善悪の両面を抱えるのだ。 カントは「真善美」を価値とした。その後、「利善美」を唱えた人もいた。 しかし、利を求める風潮が強まっているいま、科学の世界においては再び真に重きを置き直す必要がある。

Posted byブクログ

2020/05/01

外科から精神科まで色んな話が出てきて純粋に興味深かった。どの事例も1度は聞いたことのあるものだったが、科学の危うさという目線で見直すことが出来た。 自分も胎児に障害があると分かったら中絶を選ぶだろうと思っていたので、優生学の話はとても考えさせられた。 種としての多様性と、自分と...

外科から精神科まで色んな話が出てきて純粋に興味深かった。どの事例も1度は聞いたことのあるものだったが、科学の危うさという目線で見直すことが出来た。 自分も胎児に障害があると分かったら中絶を選ぶだろうと思っていたので、優生学の話はとても考えさせられた。 種としての多様性と、自分という個体の生活維持を天秤にかけてしまいそう。

Posted byブクログ