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シングル母娘と僕 ―ふたりであいして― の商品レビュー

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愛情面を強調した主人公+母娘=3人の恋愛官能デビュー作

心優しき男女の愛情が前面に出た誘惑作品を久し振りに読んだ気がした。若くして娘を授かりながらシングルマザーの道を選び、今は36歳になるも若々しさを保つ母。そんな母とのちょっとしたすれ違いから今は引きこもり状態の娘。この母娘2人に特化して、間に立った主人公を巡る愛情と互いへの遠慮含み...

心優しき男女の愛情が前面に出た誘惑作品を久し振りに読んだ気がした。若くして娘を授かりながらシングルマザーの道を選び、今は36歳になるも若々しさを保つ母。そんな母とのちょっとしたすれ違いから今は引きこもり状態の娘。この母娘2人に特化して、間に立った主人公を巡る愛情と互いへの遠慮含みの尊敬が入り混じっている。 つまり、自身のオンナを呼び起こしてくれて、かつ娘の再起をも助けてくれた主人公には強い想いを抱くも本来は娘との付き合いが相応しいと遠慮する母。後から主人公と出会った負い目や主人公の気持ちが母へ向いていることの諦観などから自身の気持ちを押し留める娘。この2人が争うこともなく揃って主人公を愛する展開を迎えるのは昨今のお約束ながら、その経緯を丁寧に描いているのはヒロインが2人のみの良さであろう。デビュー作らしい詰め込みも多少は見られるものの総じてバランスの取れた内容と言える。 歯科衛生士と患者という立場で出会った母と主人公だが、最初の誘惑アプローチこそかなり唐突で脈絡のなさを感じてしまうものの、そこから年の差愛情物語へと発展していくのはなかなか良好。シングルマザーとはいえ相応に経験を積んだ熟女らしさを盛り込んでチェリーな主人公を導く序盤から筆下ろしを経た主人公が主従逆転のごとき責めを見せる中盤といった変化もあって官能描写も総じて良好と言える。この母との体験が後に娘の破瓜を導くことに繋がっており、オーソドックスなストーリーを土台にしているのは好印象である。 三角関係と称するも実情は主人公を基点としたV字の二股になるものだが、本作では和解した母娘が親子の情を少し超えた愛情を抱く形が試みられており、文字通りの三角形が模索されている。これにより百合っぽさを湛えた3Pがクライマックスとなるのだが、これはむしろ精神的な繋がりできちんとした三角関係を構成しようとした作者の思惑が見て取れるものである。

DSK