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見習い同心捕物帳 深紅の影 の商品レビュー

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2021/04/21

野呂丈一郎(のろ じょういちろう)は脳筋で馬鹿力。父の後を継ぐべく、現在は同心見習いとして働いている。 香川景蔵(かがわ けいぞう)は頭脳派で、例繰方同心。 裸の女の胸をえぐり髪を切り落とすという、猟奇的な水死体が上がって、丈一郎は直属上司の蒲田栄輔(かまた えいすけ)から探索...

野呂丈一郎(のろ じょういちろう)は脳筋で馬鹿力。父の後を継ぐべく、現在は同心見習いとして働いている。 香川景蔵(かがわ けいぞう)は頭脳派で、例繰方同心。 裸の女の胸をえぐり髪を切り落とすという、猟奇的な水死体が上がって、丈一郎は直属上司の蒲田栄輔(かまた えいすけ)から探索を任された。 丈一郎と景蔵コンビの第一作目。 実は二作目を先に読んでしまったが、こちらも面白い。 丈一郎がまことに愛すべき人柄で、しかし、こうも情に厚くては、ちょっと同心には向いていないんじゃないかと心配になる部分もあるが・・・ そこに真っ向から文句を言ったり説教するのではなく、本来は判決の実例集を調べ、一日中書庫に籠るのが仕事のくせに、足を棒にして聞き込みに回ったりして、丈一郎とは違う方向から事件にアプローチしてみる、という景蔵が、ベタベタしないがなかなかにお似合いの相棒だと思う。 物語は、あちこちで気になる出会いあり、怪しいエピソードあり、謎が謎を呼んで飽きさせない。 事件には絵師の話も絡んでくるが、裕福な「御用絵師」から、絵師になりたくてもなれない者、枕絵もどきを書き散らして生活の足しにする者、絵の腕を生かして彫り師になりたい者など、いろいろあるのは現代でも同じ。 ただ、「御用絵師」の狩野家は江戸時代独特で、また一つ、江戸時代についての知識を仕込むことができた。 この、動と静のコンビ、とても気に入ってしまったが、二作で終わりでしょうか? まだ読みたいなあ〜

Posted byブクログ