私は絶対許さない 新装版 の商品レビュー
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堕ちて、堕ちて、堕ちて、堕ちて 死の淵をのぞきながらも 性被害に遭った著者が人生を切り開いていく。 堕ちながらもたくましく、人生を再構築する。 強さと美しさが印象に残る
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濃い出来事とは逆にひとつひとつの事件は浅くさらっているだけで文学的な良さはほとんどないのだけれど、物語の残酷さより著者の誠実さをかんじて読み入った。 主人公のすることは一見めちゃくちゃ。でも「なんでそういうことするの?」ではなくいちいち「あー、なんかわかる」と思ってしまう。 正...
濃い出来事とは逆にひとつひとつの事件は浅くさらっているだけで文学的な良さはほとんどないのだけれど、物語の残酷さより著者の誠実さをかんじて読み入った。 主人公のすることは一見めちゃくちゃ。でも「なんでそういうことするの?」ではなくいちいち「あー、なんかわかる」と思ってしまう。 正直でまっすぐな印象。 もし、ひどい体験がなかったらどんなひとだったんだろうと考えると切ない。 つらい経験をしたひとがほかにもいるということに救われた、という描写からも、つらい経験をただ切り売りしたいのではないことがわかる。 ひとつひとつのエピソードを詳しく、脚色しててもいいからもっと読んでみたい。 残酷そうな映画は観なくていいかな。
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映画を先に見て、当日にこの本を読みました。 映画と本の内容にあまりズレがない印象です。 レイプ場面も辛いけど、さらに家族に傷つけられる場面で、怒りが湧いて泣けてくる。 彼女はそのあと、やくざと援交してお金をためて、東京に進学してまずは整形。これは新しい自分になるための儀式。そして風俗店でバイト。やさしい男性に巡り合って結婚するけれど、彼は彼女に自分の好みの服を着せたり、彼が食べさせたいごちそうばかりを食べさせたり、彼女自身の意思を封じ込めて真綿で首を絞めるような支配をしてくる人だった。そこからさらに抜け出して、風俗で働きながら看護師になった。壮絶な人生。 え、なんでそんなことするの?って彼女の選択を意外に思う場面はいろいろあるけれど、そうしないと生き延びられなかったのだと思う。そして意外に思うということは、私が勝手な「あるべき理想的な被害者」像を持ってしまっていたからだと思う。被害者も多様、回復のプロセスも多様。自分ではどうにもできない状況で被害を受けた彼女にとって、風俗で働くというのは男性や性をコントロールできるものにするための回復の方法だったのかもしれない。 決して後味がいい内容ではないけれど、多くの人に見てほしい。性暴力の加害者はもちろん許せないが、家族や周囲の人たちの無理解や二次被害がいかに被害者を打ちのめすか、一度の被害がいかに人生全般に影響を及ぼすか、感じられることがたくさんある。 なかなか声を上げることができない当事者が書いたものは貴重です。
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