デビルマン ―THE FIRST―(VOLUME Ⅲ) の商品レビュー

永井豪とダイナミックプロ(著者)

2024/09/05

人間はデーモンへの恐怖から悪魔狩りと称する人間狩りを行い自らを滅ぼし始めていく。結局地獄とは人間が生み出したものだった、という痛烈な批判。終盤牧村一家を襲撃する暴徒の描写のおぞましさ、主人公を陥れる極限の絶望感が凄い。そして劇場版エヴァンゲリオン「まごころを君に」のラストシーンのモチーフにもなった海辺のシーンの神話的な美しさは、やはりこの大判判型で味わうと格別。連載とは信じられないくらい強引さや中だるみのない起承転結の配置のバランスとストーリー展開、これも最初からすべて考えて描かれていたとしか思えないくらい完璧な伏線回収にも唸る。人生で一度は読んで損はない掛け値なしの傑作と思う。

2024/07/15

ワイ52歳やけど、いまさらちゃんと読んだんやけど、すげえわ、これ。率直に傑作である。

ワイが幼少の頃、アニメが放映していたはずなんだけど、子どもが見て十全に理解できるような物語じゃない。

単なるヒーロー物またはアンチ・ヒーロー物、では全くなく、人間の深層心理を鋭くえぐるサイコスリラーか、"神と悪魔、あるいは善と悪""正義とは何か？"みたいな哲学的問題提起といえよう。

クリストファー・ノーランの『ダークナイト』シリーズに近いものを感じた。

"人間の歴史"を物語によく織り込んであり、魔女裁判をはじめとして、"人間の愚かしさ"をまざまざと思い知らされる。人間として謝っとくわ。ホンマ、すいません。

2019/09/24

あっという間に読めてしまう全3巻。
全巻収納BOXはいまだにそのまま折りたたんでおいてます。

感想、否応なく弱者が消えゆく世界観はどの種族も生き延びることができないということなのだろうか･･･。
雷沼教授のような人間が出てきそうな世の中の雰囲気をぼんやり感じる。