「五足の靴」をゆく の商品レビュー
この作者、5人の辿った道を外れて好き勝手にその近くの知り合いやら行きたい所に行っている。そのやりたい放題が面白くもある。
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明治30年(1907)7月28日からの約1ヶ月弱。5人の文学者たちが広島・九州各地を旅し、その紀行が新聞連載されたという。それは与謝野鉄幹、木下杢太郎、平野万里、北原白秋、吉井勇。30代半ばの鉄幹を盟主とした、20歳過ぎの新詩社の仲間たち。いずれも森鷗外の支援していた顔ぶれだとい...
明治30年(1907)7月28日からの約1ヶ月弱。5人の文学者たちが広島・九州各地を旅し、その紀行が新聞連載されたという。それは与謝野鉄幹、木下杢太郎、平野万里、北原白秋、吉井勇。30代半ばの鉄幹を盟主とした、20歳過ぎの新詩社の仲間たち。いずれも森鷗外の支援していた顔ぶれだという。この5人の旅が「五足の靴」として注目され、九州などにその足跡(碑)が残っているとのことで、約110年を経て著者がたどったエッセイ文。5人が交互に書いたようだが、どこを誰が書いたのかは著者の想像。松浦作用姫の頭巾伝説は知らなかったが、日本の悲恋伝説でも最高峰のようで、万葉集に多く歌われているらしい。5人には松浦とは思い入れの強い土地だったのだろう。5人の性格、歩みにも触れて紹介しながら楽しく読める本であった。天草・下田温泉は昨年訪問した場所であり、情景が目に浮かぶ…。
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