日曜日の王国 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
学校に行けなくなった繭(まゆ)。病気でもない、怪我でもない、いじめられたわけでもない。「理由を言って」という両親にうまく答えられないまま繭は小学5年生になった。 日曜日。お父さんは連日仕事が忙しくて家にいない。お母さんも臨時でアルバイトが入っていない。外を散歩するポメラニアンを見るのが日課になっていた繭は、おかしなものが目に入った。矢じるし。それも真っ赤なペンキで描かれた矢じるし。いくつか連なるそれを辿っていくと、それは並木道の上にあるギャラリー・日曜日舎に繋がっていた。 なんだか不思議な世界に迷い込んだような気持ちになりました。ギャラリーでの出来事は、現実ではなさそうだと思いながらも、一方で不登校の娘と母親、不在の父親という現実的な問題にも直面していて、読んでいてこの先一体どうなるのだろうかというハラハラした気持ち、ざらりと心が冷たくなるような気持ちになりました。決して楽観的にはなれない問題の最中、そことそこが繋がるのか、と最後は惹き込まれるように読みました。 学校に…戻る?戻れるのか?フリースクールという選択肢が出てこないけど、こんな状態で学校には戻れなくないか?と思っていたので、納得の最後でした。 最後は泣いちゃいましたね。最後のこことここが繋がるのか〜と感動してしまいました。 マグパイ、挿絵はすごく可愛らしいのに、決して優しくはなくどこまでも油断ができない存在だとは思っていたら、なんだただのツンデレなのかと思わず笑ってしまいました。 日曜日舎の皆にもらった大切な宝物を持って、繭ちゃんが繭ちゃんらしく生きられる道を探していくのだと思うと、力強い、希望を抱くことができる最後でとても良かったです。 2024年、最寄の図書館利用者による「泣ける一冊」より。
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学校に行けなくなった繭が、日曜日だけ開いているスケッチクラブの仲間と出会い、自分の道を見つけ出す物語。 学校に行かなくちゃ、お母さんを元気にしてあげなくちゃ、笑わなくちゃ…わかっているけど、何も言えない、一歩も動けない。そんな繭の苦しい気持ちがよくわかる。 スケッチクラブの仲間と...
学校に行けなくなった繭が、日曜日だけ開いているスケッチクラブの仲間と出会い、自分の道を見つけ出す物語。 学校に行かなくちゃ、お母さんを元気にしてあげなくちゃ、笑わなくちゃ…わかっているけど、何も言えない、一歩も動けない。そんな繭の苦しい気持ちがよくわかる。 スケッチクラブの仲間と出会い、少しずつ元気になっていく繭の様子に、 自分の大切なものを見つけることは、そのためなら何でも頑張るぞ!という勇気と元気を与えてくれるんだなぁと思いました。 高学年向け 215ページ 読み終わるのに1時間
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19:学校に行けなくなってしまった主人公が不思議な場所に誘われ、そこでの経験によって一歩を踏み出すことが出来る……と書けばありきたりなのだけど、王道のストーリーを彩るちょっとした描写がふくよかで鮮やかで、物語に厚みと説得力を持たせているように感じました。 誰だって、いつだって、生...
19:学校に行けなくなってしまった主人公が不思議な場所に誘われ、そこでの経験によって一歩を踏み出すことが出来る……と書けばありきたりなのだけど、王道のストーリーを彩るちょっとした描写がふくよかで鮮やかで、物語に厚みと説得力を持たせているように感じました。 誰だって、いつだって、生きることは不安で「慣れる」なんてことはない。それでも「好き」の火を絶やさずに。
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