マイロ・スレイドにうってつけの秘密 の商品レビュー
アメリカの作家「マシュー・ディックス」の長篇ミステリ作品『マイロ・スレイドにうってつけの秘密(原題:Unexpectedly , Milo)』を読みました。 アメリカのミステリ作家の作品が続いています。 -----story------------- 読むと、必ず笑顔になれる...
アメリカの作家「マシュー・ディックス」の長篇ミステリ作品『マイロ・スレイドにうってつけの秘密(原題:Unexpectedly , Milo)』を読みました。 アメリカのミステリ作家の作品が続いています。 -----story------------- 読むと、必ず笑顔になれる! 奇妙な「秘密」を持つ主人公の自分探しの旅路 33歳の訪問看護師「マイロ」は公園で、放置されたビデオカメラとテープを発見する。 テープでは、若い女性が、友人が自分のせいで亡くなったと告白していた。 誰にも言えない秘密を抱える「マイロ」はさめざめと泣く彼女に深く共感してしまう。何か協力することはできないだろうか。 「マイロ」は女性を探し始めるが、それがとてつもない事態に発展し……。 「秘密」をめぐる奇妙で愛おしい物語! 訳者あとがき=「高山祥」 ----------------------- 「マシュー・ディックス」は、作家以外にも、小学校教師、ブロガー、結婚パーティのDJ等、様々な顔を持っており、作家としても、ミュージカルやコミック・ブックの執筆等、幅広く活躍しているようですね、、、 本作品は、2010年(平成22年)に刊行された「マシュー・ディックス」の長篇第2作にあたる作品です。 愛すべき主人公「マイロ・スレイド」は33歳の訪問看護士で、結婚して3年になる妻「クリスティン」と別居生活中… 真面目で不器用、女性にはモテないけどお年寄りには好かれ、『スター・ウォーズ』が大好きで飼い犬を「スカイウォーカー」と呼ぶ、、、 彼は愛犬との散歩中、公園のベンチに置かれていたビデオカメラと14本のビデオテープを拾う… この出来事がきっかけで、「マイロ」の運命は大きく変わることになる。 持ち主に返すことができたら、というぐらいのつもりでビデオを再生していくうちに、「マイロ」は録画されている内容に魅了されていく… 映っていたのは、一人の女性が過去を振り返り、もはやどうしようもない出来事を懺悔する姿だったのだ、、、 彼女のことや、彼女の告白で触れられていた友人のことが気になった「マイロ」は、ビデオテープから得た情報を手がかりに、彼女を探し出そうとする。 風変わりで秘密の習慣を持つ男が、ひょんな事から人探しの旅に出ることになり、探し出した人との対話を通して、ありのままの自分をさらけ出すことに目覚めて行く… 自分と同じような哀しみを抱えた見ず知らずの人のためになろうとしつつ、自分も変わっていくという成長物語、そして、ビデオで語られている謎を解明するというミステリでしたね、、、 誰でも、多かれ少なかれ自分の中に抱えている、他人には晒し出すことのできない秘密があると思うんですよね… ありのままに生きること、他人に自分のことを理解してもらうことの難しさを感じつつ、「マイロ」に共感しながら読めましたね。 ストレートなミステリ作品ではありませんでしたが意外と愉しめました… そして、久しぶりに『明日に向かって撃て!』を観たくなりました。 以下、主な登場人物です。 「マイロ・スレイド」 訪問看護師 「クリスティン」 マイロの妻。弁護士 「フレックルズ」 ビデオテープに映っている女性 「ミラ」 フレックルズの友人 「テス・ブライスン」 フレックルズの友人 「ショーン・ブライスン」 テスの父親 「イーディス・マーチャン」 マイロが訪問する老女 「アーサー・フリードマン」 マイロが訪問する老人 「ダナ・ティーガン」 セラピスト 「フィル」 クリスティンの同僚。弁護士 「アンディ」 マイロのオタク仲間 「ダニー」 マイロのオタク仲間 「エリック・クシュマン」 マイロのオタク仲間 「リリー」 ホテルの受付の女性 「ユージーン」 ホテルの従業員 「メイシー」 チザムという町の人々 「ケリー・プラント」 チザムという町の人々 「エマ」 チザムという町の人々 「エブレン」 警察官
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変わり者の男性が偶然、見つけた秘密。 自分も秘密を抱える看護師が何かしたいと思った結果は…? マイロ・スレイドは33歳の訪問看護師。 癖の強い老人ともうまが合う、気が優しい男性だが、内気でいくつかの奇妙な衝動を抱え、人知れず日々奮闘していました。 おそらく強迫神経症というのだろ...
変わり者の男性が偶然、見つけた秘密。 自分も秘密を抱える看護師が何かしたいと思った結果は…? マイロ・スレイドは33歳の訪問看護師。 癖の強い老人ともうまが合う、気が優しい男性だが、内気でいくつかの奇妙な衝動を抱え、人知れず日々奮闘していました。 おそらく強迫神経症というのだろう、罪のないものなのだが、どうしても人に知られたくないので、なおさら大変なのだった。 弁護士で美人の妻と結婚して3年、別居して3週間になります。 妻を愛し、釣り合わないほど素敵な妻が愛してくれたことに幸福を感じていたマイロでしたが。 実は真実の姿を見せていなかったのだから、うまくいかなくとも当たり前? ある日、公園のベンチに置き忘れられていたビデオカメラを見つけ、持ち帰ってしまいます。録画されていたのは、涙ながらに後悔の念を告白する女性。 身元を突き止めてビデオを返そうか、それともこの女性のために何かできることはないだろうか?考え始めるマイロ。 その顛末は…? マイロを囲む友人たち、出会う人たち。 突き止めた先での思いがけない真実。 そこで自分自身のことも、また新たな目で見ることになるのです。 出会った女性の発言で、「男性には2つのタイプがあり、11歳で止まっているか19歳で止まっているかだ」というのが面白かったです。11歳は趣味に生き、19歳は野心的なのだとか。 不器用な男性の善意と、ややこしく絡み合う出来事。 ちょっと奇妙で、ちょっと切ない、ハートウォーミングな物語です☆
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32章という長い旅をして来たかのような読後感。読みづらくて挫折しそうになりながらも最後まで読み通せたことが、主人公の苦難の道のりとリンクしていたのかも。
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自分にも人には言っていないことはある。 そういう話を人から打ち明けられたらどうするだろうか、 腹を割って話したことはあるだろうか、 マイロのような声掛けができるだろうか。 そんなことを考えながら読んだ。 殺人事件の起こらないミステリ。 前作同様、優しく温かい話でした。
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