レイモン・サヴィニャック自伝 ビジュアル版 の商品レビュー
2020年に向けて渋谷の街を始めどんどん改造の進む東京で、デジタルサイネージという新しいコミュニケーションが幅を利かせ、昔懐かしきポスターは凄いスピードで顧みられなくなっているような気がします。ポスターなんてしばらく作っていません、という広告のアートディレクターももはや普通な時代...
2020年に向けて渋谷の街を始めどんどん改造の進む東京で、デジタルサイネージという新しいコミュニケーションが幅を利かせ、昔懐かしきポスターは凄いスピードで顧みられなくなっているような気がします。ポスターなんてしばらく作っていません、という広告のアートディレクターももはや普通な時代に、ポスター神話時代の神さま、サヴィニャックの自伝を開きました。神さまだけど、フツーの人。フツーの人だけど、たまたま育ったパリという街を愛し、そしてパリにも愛され、たまたま出会ったポスター制作者という仕事を愛し、そしてポスターからも愛された男の人生は、彼の作品のようにキュートなものでした。P214「私がポスターに盛り込もうとしているもの、それは上機嫌である。」そう、上機嫌のクリエイティブがサヴィニャックのクリエイティブ!P239「私は歌を歌いながら仕事するのが好きだ。」AIが自分のために歌を歌うのは、いつの日のことか?それまで広告のアイデアというものはどこから生まれてくるものなのか?1975年に出版された自伝「ポスター画家」がオリジナル・テキストとのことですが、本書が現代に語りかけるメッセージは価値あると思います。P207「今、私たちは、広告ポスターの低迷期にいる。でも、広告について無駄なことばかり話し合ったり、つまらないことを空威張りするのをやめさえすれば、ポスターはまた素晴らしい表現の場になるはずだ。」
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フランスのポスター広告画家サヴィニャックの自伝。日本だけの増補新版のようです。語り口もゆるい感じでいいなぁ。
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