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忘れられたベストセラー作家 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/07/16

まあ悪くない本だと思ふが  明治以降の人気だった小説家については勉強になった。かういふ平易に書いた本はなぜか評価は低いのだが、地味で情報ばかりに感じるからかもしれない。私はなぜかこの著者の文章は堅苦しくなく、すらすら読める。  むしろベストセラーの動向についてはあまり立体的につぶ...

まあ悪くない本だと思ふが  明治以降の人気だった小説家については勉強になった。かういふ平易に書いた本はなぜか評価は低いのだが、地味で情報ばかりに感じるからかもしれない。私はなぜかこの著者の文章は堅苦しくなく、すらすら読める。  むしろベストセラーの動向についてはあまり立体的につぶさに分析できてをらず、だからなぜベストセラーになったのか明白な理由はわからない。佐伯順子が天地真理に似てゐるとか、さういふ著者の推量も私はちがふ気がする。まあ統計的ではないものの、まとまってゐるほうだ。  ちなみに2000年以降の青少年やネットを対象にした読書ニーズ分析だと、飯田一史が統計的に捉へてゐると思ふ。

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2021/08/28

【注】小谷野敦先生に2021/08/28/土  ツイッターで直接"164pに載っています"と指摘いただきました。星取り表を訂正します。ごめんなさい。新刊は定価で買います。 以下原文 森村桂が載ってないか楽しみに手に取ったのに無かったので、減点。残念!『忘れ...

【注】小谷野敦先生に2021/08/28/土  ツイッターで直接"164pに載っています"と指摘いただきました。星取り表を訂正します。ごめんなさい。新刊は定価で買います。 以下原文 森村桂が載ってないか楽しみに手に取ったのに無かったので、減点。残念!『忘れられたベストセラー作家』小谷野敦 ☆2

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2018/10/25

著者の得意な文芸書シリーズ(?)の一環、『芥川賞の偏差値』『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『現代文学論争』『久米正雄伝』『文学賞の光と影』『日本恋愛思想史』『川端康成伝』などを書いた文芸知識から、角度を変えて読み込んだ素材を活用するという1粒で2度おいしいを狙った作品ですが、イマイチ...

著者の得意な文芸書シリーズ(?)の一環、『芥川賞の偏差値』『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『現代文学論争』『久米正雄伝』『文学賞の光と影』『日本恋愛思想史』『川端康成伝』などを書いた文芸知識から、角度を変えて読み込んだ素材を活用するという1粒で2度おいしいを狙った作品ですが、イマイチつまらない。 巻末付録で載せた「文学全集への作家掲載一覧」も一般読者が必要な資料とも思えず、著者の頭の整理のために作った資料をとりあえず載せておこうという安易さが気になりました。 豊富な読書量を活かすのも結構ですが、同一作品紹介時に何度も同じような文章に出合うと、作者の読書メモって大したことがないのだな、と足元を見られますので気をつけてね。

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2018/06/04

文学史に名を刻む、森鷗外、夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介、川端康成、…… しかし、そんな「文豪」よりも遙かに「愛されていた作家」たちがいる! (アマゾン紹介文) 知らない人ばかりだった…。 企画的には面白く、もっと知りたい内容でした。 ただ、後半になればなるほど、作者様の我が少...

文学史に名を刻む、森鷗外、夏目漱石、志賀直哉、芥川龍之介、川端康成、…… しかし、そんな「文豪」よりも遙かに「愛されていた作家」たちがいる! (アマゾン紹介文) 知らない人ばかりだった…。 企画的には面白く、もっと知りたい内容でした。 ただ、後半になればなるほど、作者様の我が少しずつ出てきていて、そこが少し苦手です。

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2018/04/22

先月読んだ「江戸川乱歩と横溝正史」で、作家は「売れたから残る」のではなく「残ったから売れる」のだ、となんとなく気づきました。乱歩は少年探偵団のジュブナイル、横溝は角川映画、にピックアップされたことが、21世紀にもその名を残す原因なのだ、ということです。いわば二次使用されることが、...

先月読んだ「江戸川乱歩と横溝正史」で、作家は「売れたから残る」のではなく「残ったから売れる」のだ、となんとなく気づきました。乱歩は少年探偵団のジュブナイル、横溝は角川映画、にピックアップされたことが、21世紀にもその名を残す原因なのだ、ということです。いわば二次使用されることが、次の二次使用(三次使用?)に繋がり、という新作の連鎖が「売れ続ける」ということ。本書はベストセラーを生み出しても、今では忘れ去られた作家達列伝です。明治・大正・昭和の作家達にとって残る残らないのファーストステップは「全集」に入るか入らないか?次は「文庫」に入るか入らないか?あとは「教科書」とか「舞台」とか「映画」とか、文学として優れているか優れてないかは関係なく、それが次にどう使われたかで寿命は決まる、と言ってます。そもそも文学として…というのも怪しげだと、川端康成「雪国」太宰治「斜陽」も面白いのは冒頭だけ、とバッサリ。全体にうるさ型、切り捨て型のマニアックおじさんトークなのですが、そこが著者らしい味わいですし、自分には的確に思える部分も多々。また「もてない男」以来の自虐ネタとしてのモノ書きとしてベストセラーには憧れがあったというカミングアウトも可愛く感じます。ベストセラーとロングセラーの違いの研究というより、読書ってなんだっけ?という問題提起の本として読みました。

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2018/04/04

同じようにある時期売れていても、長く読み続けられる作家や作品と、忘れられていくものとは何がどう違うのか。今やまず読まれないという点では一緒だが、文学史に名前が残るものと消えていくものとはどう違うのか。言われてみれば不思議である。これだ、という答えがあるわけではないし、特に突っ込ん...

同じようにある時期売れていても、長く読み続けられる作家や作品と、忘れられていくものとは何がどう違うのか。今やまず読まれないという点では一緒だが、文学史に名前が残るものと消えていくものとはどう違うのか。言われてみれば不思議である。これだ、という答えがあるわけではないし、特に突っ込んだ考察がされることもないが、視点が面白いと思った。例によって、他ではあまり出てこない文壇ゴシップも楽しい。

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