サハリンを忘れない の商品レビュー
サハリンでの戦後を生き抜いた女性達の、 子供時代から、妻として、母としての人生の一コマである。 現代の彼女らの笑顔は穏やかで優しい。 時折、哀しく、苦悶の表情を見る。 サハリン残留について、これだけの人の思いがあるのに、知らなかった事が恥ずかしく、調べてみよう、行ってみようと...
サハリンでの戦後を生き抜いた女性達の、 子供時代から、妻として、母としての人生の一コマである。 現代の彼女らの笑顔は穏やかで優しい。 時折、哀しく、苦悶の表情を見る。 サハリン残留について、これだけの人の思いがあるのに、知らなかった事が恥ずかしく、調べてみよう、行ってみようという気持ちになる。
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私が2000年にサハリンを回ったときからすでに十余年。時間が経ったせいか、私が会った人たちは登場しない。 戦前の日本時代の暮らしの話やソ連軍が攻めてきて社会が激変するといった話もない。戦後、取り残された人たちの悲しさを達観したような、たくましく、そして、旅人を歓迎して止まない、...
私が2000年にサハリンを回ったときからすでに十余年。時間が経ったせいか、私が会った人たちは登場しない。 戦前の日本時代の暮らしの話やソ連軍が攻めてきて社会が激変するといった話もない。戦後、取り残された人たちの悲しさを達観したような、たくましく、そして、旅人を歓迎して止まない、老いた人たちが登場する。 彼らの語り口がとてもいい。過去の話、すでに死んだ人の話をまだ20代の若者が聞くというそのコントラストがなんともいい。 歴史を知るには時間が経ちすぎた。しかしサハリンという、他民族のいろんなアイデンティティを持つ人たちの独特な、生活空間の空気がリアルに描かれている。 またサハリンに行きたくなった。 参考文献リストがないので、作者が『僕の見た「大日本帝国」』を読んだのかどうかは確認できず。
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