昭和史の10大事件 の商品レビュー
都立墨田川高校の先輩後輩という間柄の、半藤一利と宮部みゆきの二人が、実に楽しげに対談している。 しかし語るのは、昭和に起きた、日本の運命を変えたともいうべき大事件ばかり。 歴史探偵を自負する半藤氏は、「歴史はひとつの大きな流れに見えて、じつは多くの要素がパズルのように組み合わさっ...
都立墨田川高校の先輩後輩という間柄の、半藤一利と宮部みゆきの二人が、実に楽しげに対談している。 しかし語るのは、昭和に起きた、日本の運命を変えたともいうべき大事件ばかり。 歴史探偵を自負する半藤氏は、「歴史はひとつの大きな流れに見えて、じつは多くの要素がパズルのように組み合わさっているから、一つの要素が変化したら、一見とんでもなく遠い関係のない場所のパズルも変容してしまう。それが歴史の意志というものの姿なのでしょう」と、喝破する。 一方宮部氏は、小説家の目で、昭和15年が日本のポイント・オブ・ノーリターンの年だと指摘し、半藤氏と同様なことを語る。 すなわち、三国同盟締結と大政翼賛運動が起きた年。 「外交と、国の中のこと、形は違っても、同じような時期に、根っこがひとつのことが起きているのだということ。外交のことだから、私たちの生活には関係ないわと思っていると、そんなことないんですね」 二人の言葉は、傾聴に値する至言だろう。
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【文春文庫ノンフィクションフェアの目玉です】昭和史の大家と天才小説家は下町の高校の同窓生! 二・二六事件から宮崎勤事件、日本初のヌードショーまで硬軟とりまぜた傑作対談。
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