ビリヤード・ハナブサへようこそ の商品レビュー
+++ 僕――中央(あたりあきら)――は、大学院に通いながら、元世界チャンプ・英雄一郎先生が経営する、良く言えばレトロな「ビリヤードハナブサ」でアルバイトをしている。 ビリヤードは奥が深く、理論的なゲームだ。そのせいか、常連客たちはいつも議論しながらプレーしている。いや、最近はプ...
+++ 僕――中央(あたりあきら)――は、大学院に通いながら、元世界チャンプ・英雄一郎先生が経営する、良く言えばレトロな「ビリヤードハナブサ」でアルバイトをしている。 ビリヤードは奥が深く、理論的なゲームだ。そのせいか、常連客たちはいつも議論しながらプレーしている。いや、最近はプレーそっちのけで各人が巻き込まれた事件について議論していることもしばしばだ。今も、常連客の一人が会社で起きた不審死の話を始めてしまった。いいのかな、球を撞いてくれないと店の売り上げにならないのだが。気を揉みながらみんなの推理に耳を傾けていると、僕にある閃きが……。 この店には今日もまた不思議な事件が持ち込まれ、推理談義に花が咲く――。 第24回鮎川賞受賞作。 +++ ビリヤードをキーにした安楽椅子探偵ミステリと言ってもいい物語である。探偵役の中央(あたりあきら)は、事件現場に足を運ぶこともあるので、厳密にいえば安楽椅子探偵ではないかもしれないが。ビリヤード用語を殺人事件のキーワードと絡めたり、ビリヤードのゲームを見ながら、事件解決のヒントを閃いたりと、ビリヤードなしには語れない物語でもある。ビリヤードハナブサに集まる常連客達のやり取りを聞きながら、謎を解いた中くんが、関係者にある問いかけをし、その答えによって真犯人に辿り着くという趣向が新鮮である。どんな問いかけがなされたのかを想像するのも興味深い。個性の強い登場人物たちのキャラも大体わかったので、さらなる事件解決も見たいと思わされる一冊である。
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ビリヤード場でバイトしている中君と常連さんたちが事件に巻き込まれ、中君がビリヤードのプレイをヒントに真相にたどり着く連作短編。常連さんや中君の友達がいいキャラで楽しい。
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アームチェア的な推理をするビリヤード店でバイトする大学院の活躍。 個性的な常連さんらが関わった話を元に推理する。 ハデさはないが落ち着いて読める。
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