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ピアノのお悩み解決クリニック の商品レビュー

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2021/09/16

 「月刊ピアノ」誌のQAから、主にピアニストになりたい、音大に入りたい人に向けての生活面から技能面までのアドバイス。「高校生になってからピアノを始めてもダメですか?」(p.22)とか、希望は持てるものの正直な答えが書いてあったり、「音大に進学してるのにまだ〇〇しか弾けないけど、留...

 「月刊ピアノ」誌のQAから、主にピアニストになりたい、音大に入りたい人に向けての生活面から技能面までのアドバイス。「高校生になってからピアノを始めてもダメですか?」(p.22)とか、希望は持てるものの正直な答えが書いてあったり、「音大に進学してるのにまだ〇〇しか弾けないけど、留学したい」のような質問(p.88)には、諭すような回答があったり、質問に対する的確な答えとはこういうものなのか、という、違った意味で学ぶところがある本だった。  「あなたはせっかく部活と勉強を中学時代のメインに選んだのだから、まずそれを思い切りやってみたらどう?きっと何にも代えがたいすばらしい体験ができるはずですよ。そしてそういう貴重な体験が、将来の仕事にもきっと役立つはずです。」(p.39)とか「あなたが将来、何で戦うのか、何で生きていくのか、あなたにとって、何が一番大切なのか、そこを考えなくてはね。」(p.37)など、完全に教育者、中高の教員の台詞。コンクールの採点基準に文句を言うお母さんには、「ミスひとつなく完璧なのだけれど、整然と心に訴えてこない演奏と、かなりミスタッチがあるけれど、生き生きとして本人も楽しんでいるような演奏があったとしたら、どちらに高得点をあげますか?また、前評判が高く実力があるらしいけど、今回はもうひとつ仕上がっていない感のある演奏と、技術が未熟なのは明白だけど、作品にガッツリ食いついて頑張っている演奏があったとしたら、どちらに高得点をあげますか?」(pp.52-3)というのは、諭されるような感じで、そりゃ基準も色々だよなあという気になる。26歳で留学後を心配する相談には、「もしも30歳で途方に暮れたとしたって、それはそれでいいじゃない。40歳になろうが、50歳になろうが、『これだ!』という人生を見つけられたら、それがあなたの"生きる道"です。そして、それが見つかるまでは、心おきなく悩んだり迷ったりしていいんですよ。失敗を恐れて何もしないよりは、やってみたほうが百倍いい。とにかく思いついたことは真剣にやってみる。そして失敗したら、また何度でも"悩んだり迷ったり"すればいい。それもまた、生きてる証拠。人生の勲章です。」(p.97)なんて、もう音楽云々じゃない人生相談の本みたいだった。正当なアドバイスを得られそうな本。(21/09)

Posted byブクログ