ベルルスコーニの時代 の商品レビュー
不動産やメディアなど実業界の覇者として、本来は被選挙権を持ち得ないベルルスコーニが政界に進出。利益相反の批判をかわしつつ、さまざまな方法で権力を行使していく様子が説明されている。既に持っていたベルルスコーニの印象を、詳細にかみ砕いて目の前に並べてくれている一冊だ。 フォルツァ・...
不動産やメディアなど実業界の覇者として、本来は被選挙権を持ち得ないベルルスコーニが政界に進出。利益相反の批判をかわしつつ、さまざまな方法で権力を行使していく様子が説明されている。既に持っていたベルルスコーニの印象を、詳細にかみ砕いて目の前に並べてくれている一冊だ。 フォルツァ・イタリアだけでなく、シチリアマフィアや北部同盟、オリーブの木など、右派左派問わず概説されていて、分かりやすい。
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イタリア政治といえば、チッチョリーナという世代な自分にとっては、どうしても能天気で辞職好きというイタリア政治の印象がなかなか拭えない。 80年代から2010年あたりまでのイタリアの政局についてまとまって書かれた本書は、それなりに「こんなこともあったなあ」というかなり記憶の曖昧な...
イタリア政治といえば、チッチョリーナという世代な自分にとっては、どうしても能天気で辞職好きというイタリア政治の印象がなかなか拭えない。 80年代から2010年あたりまでのイタリアの政局についてまとまって書かれた本書は、それなりに「こんなこともあったなあ」というかなり記憶の曖昧な部分をあらためて認識するという意味ではそれなりに意義はあったと思う。 ただ著者の意図する「ベルルスコーニの時代のイタリア政治から日本の政治を眺める」という読み方は、見当違いとは言い切れないものの、国体や国民の気質などが「日本とかけ離れている」イタリアと、日本の政治との比較が、それほど有意義なことだとは思えないというのが正直なところか。 そもそもメディア好みの「ヨーロッパではこうしている、日本も学ぶべき」という論調で本書を読むこと自体、かなり難しいのはふつうに予測できることだろう。(そうしたヨーロッパの実情に合わせて日本の国政や国体を「批判できない」という理由があるからこそ、イタリアの政治に関する書籍が少ないとも言えるし、取り上げる意義を見出しづらいということもあるだろう) では逆に、ベルルスコーニのような「汚職まみれでマフィアとつながりがあり大手メディアを操る人物」を通じて、日本に批判できるような人物が存在するかというと、これもまた難しいと思える。
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ベルルスコーニの遍歴を通して現代イタリア政治史を追いかける。メディア、犯罪結社、秘密結社、宗教、民族運動、政治勢力の変遷等々、内容は多岐にわたり情報量がかなり多い。読むのがしんどいところもあるがイタリアの戦後政治を通覧できる。年表と主要人物相関関係図があるとなお良かったかもしれな...
ベルルスコーニの遍歴を通して現代イタリア政治史を追いかける。メディア、犯罪結社、秘密結社、宗教、民族運動、政治勢力の変遷等々、内容は多岐にわたり情報量がかなり多い。読むのがしんどいところもあるがイタリアの戦後政治を通覧できる。年表と主要人物相関関係図があるとなお良かったかもしれない。 ベルルスコーニのことはおろか、戦後イタリアのことを何も知らなかった。本書を読んでるとイタリアがどんどんメチャクチャになっていくので唖然とした。 イタリアは古代以来の長い歴史があるし、ルネッサンスをはじめとする芸術作品が多く残っているし、教会を中心とした美しい町並みも各地にあるし、住民も大らかそうだし大好きな国の一つだ。今までそういった美しい一面しか見てこなかったことを反省した。戦後を含めてのイタリアだから実態を知ることができて良かった。
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ベルルスコーニは只者ではないということがよく分かった。ただ、実際に政治権力を握ってからの記述がかなりおざなりなのが残念である。
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