滅亡から読みとく日本史 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
歴史系の読書の楽しみは色々あって楽しいものです。本書でも膨大な文献を参照していて、お勧めです!①実際に歴史の舞台を訪れ、諸説を考えるヒントを得る。例えば松永久秀が南都を抑える位置に築城した多聞城跡からは夕景の中で、彼が焼き討ちしたと伝わる東大寺大仏殿がすぐそこに見えました。この近距離では三好三人衆がここに立て籠もった時点で戦火は誰でも想像出来き、当然に本書の「兵火の余炎」が納得できます。②素直に知識を得る。岡豊城を本拠地として四国を席巻した長宗我部元親を考えるため、何を参照するか悩んでいましたが、本書は分かりやすく解説されています。また巻尾の参考文献も手に取ろうと思います。③意地悪く他の諸説もあるぞと思う。先日、若狭の後瀬山城を考えるために福井県立若狭歴史博物館で購入していた「若狭武田氏の誇り」を見ていると、甲斐武田氏の祖は安芸武田氏であることが丁寧に解説されていました。若狭武田氏も安芸武田氏を祖としており、近年の研究で武田の惣領家は官途「伊豆守」を称する若狭武田氏であることが認められて来ているとのこと。しかし残念ながら戦国の雄、武田信玄の影響で若狭武田氏の影は薄くなりました。そして全ての武田氏は戦国の世に滅んでいます。 以上、素直な方もそうで無い方にも、また現地で歴史ロマン派の方にもお勧めの一冊です!
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