雨月物語 の商品レビュー
現代語訳はついていないが、脚注が豊富でわかりやすく各ページ下部に配置してあること、原文自体が和漢混淆文でそもそもそこまで難解ではないことから、無理なく読み進められる。 古典文学を現代語訳を使わずに通読したのははじめて。「夢応の鯉魚」の説話っぽさや。「蛇姓の婬」の執拗な感じが好み...
現代語訳はついていないが、脚注が豊富でわかりやすく各ページ下部に配置してあること、原文自体が和漢混淆文でそもそもそこまで難解ではないことから、無理なく読み進められる。 古典文学を現代語訳を使わずに通読したのははじめて。「夢応の鯉魚」の説話っぽさや。「蛇姓の婬」の執拗な感じが好み。 解説を読むと、上田秋成が今まで書いていた浮世草子から読本にスタイルを移行させて『雨月物語』を著したとあり、両者は形式こそ異なるが、視点は共有するとあった(女性キャラクターの造形などに)。 おもえば現代でも作り物感の強いホラー映画って、コメディを見ているように笑えてきちゃったりもするもんな、と俗物的な現代人的発想でなっとくしたり。
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人が鬼や蛇に変じるのは古来から枚挙に暇がないほどよくあること…なのか。 いっそのこと鬼や蛇になれたならと思うことはありますね。 でもそう簡単にはなれないのです。 それはまだまだ堕ちかたが足りないということなのでしょうかね。 それにしても女性が報われないね。 そういう時代。
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この本を読んだ人の少なさにびっくりしちゃった。 いちからこんな話をたくさんつくれるなんてすごいなあ〜ってやんわり思っていたら、わりかし原本があるみたいで「あ、そなの」ってなってしまった。ただ、逆に教養に溢れていると捉えればポジティブに生きられる。 初の文語、古文の文章で大挫折...
この本を読んだ人の少なさにびっくりしちゃった。 いちからこんな話をたくさんつくれるなんてすごいなあ〜ってやんわり思っていたら、わりかし原本があるみたいで「あ、そなの」ってなってしまった。ただ、逆に教養に溢れていると捉えればポジティブに生きられる。 初の文語、古文の文章で大挫折するかと思ったら、意外とするする読めた。 『夢応の鯉魚』がいちばんオシャレ。ラストの絵の中の鯉は湖に泳ぎ出してしまったから残っていないんだ、みたいな部分に「あひゃ〜〜」となってしまった。良すぎる。 基本的に男と女の云々だっただけに、『夢応の鯉魚』がひときわ目立っていた。
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「なんか国語の授業で知っているような... うんうん、オチとかも含め 古典あるあるだよね...」 と思っていたら ▪️ 吉備津の釜 ▪️ 青頭巾 のこの2話が特にゾワーーッ。 「恐ろしいもの」が眼前に迫るのではなく 心理的にじわじわと恐怖が迫ってくる ジャパニーズホラーの原点...
「なんか国語の授業で知っているような... うんうん、オチとかも含め 古典あるあるだよね...」 と思っていたら ▪️ 吉備津の釜 ▪️ 青頭巾 のこの2話が特にゾワーーッ。 「恐ろしいもの」が眼前に迫るのではなく 心理的にじわじわと恐怖が迫ってくる ジャパニーズホラーの原点。
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怪奇譚という知識だけを持ち合わせていたが,実際拝読すると描かれる9編の短編がそれぞれ時代,登場人物,そして内容いずれも多様であり,現在に脈々と流れる本分野の源流を感じる.何よりも雨月,という文言に,時代を超えても全く色褪せず,これから起きるであろう不吉な予感を色濃くひしひしと感じ...
怪奇譚という知識だけを持ち合わせていたが,実際拝読すると描かれる9編の短編がそれぞれ時代,登場人物,そして内容いずれも多様であり,現在に脈々と流れる本分野の源流を感じる.何よりも雨月,という文言に,時代を超えても全く色褪せず,これから起きるであろう不吉な予感を色濃くひしひしと感じ,内容に負けず劣らず大変気に入っている.
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