実録・レイシストをしばき隊 の商品レビュー
前半はノンフィクションとしてスリリングで面白く、後半は論考として参考になった。 前半、ヘイトスピーチに対抗するカウンター人士が集まっては各自の持ち場へ散ってゆく様子は、まるで水滸伝のよう。ヘイトデモを妨げる作戦、別働隊の結成、広報部隊の自然発生など。それぞれの発想や個性が魅力的で...
前半はノンフィクションとしてスリリングで面白く、後半は論考として参考になった。 前半、ヘイトスピーチに対抗するカウンター人士が集まっては各自の持ち場へ散ってゆく様子は、まるで水滸伝のよう。ヘイトデモを妨げる作戦、別働隊の結成、広報部隊の自然発生など。それぞれの発想や個性が魅力的で、前半部分だけでは物足りない。三部作くらいのボリューム感で詳細に書いて欲しい。2018年以降新大久保でヘイトデモが行われていないというささやかな勝利は眩い希望。 後半の論考は、特にヘサヨ批判に共感しながら読んだ。対話を通じてネット右翼が現れてきたというのも、この前読んだ「歴史修正主義とサブカルチャー」とリンクする部分があり、自分の中にまた一つの種が蓄えられた。だいたいの正義という著者の考え方に共感を覚える、現場にいる人間として。
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