公文書問題 の商品レビュー
官僚に虚偽の答弁をさせたり、存在する文書を巡って対応させる負担をなくすためにも、しっかり記録を残し公開する重要性がよく分かります。
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20190415〜0421 海外に派遣された自衛隊員の現地での活動記録や豊洲市場、森友、加計学園等をめぐる巨額の税金の使途、国是の大転換を伴う決定のプロセスが記された公文書が相次いで破棄、あるいは未作成とされ、隠蔽される事態が行政の中枢で常態化しています。 公文書を軽んじ、秘密が...
20190415〜0421 海外に派遣された自衛隊員の現地での活動記録や豊洲市場、森友、加計学園等をめぐる巨額の税金の使途、国是の大転換を伴う決定のプロセスが記された公文書が相次いで破棄、あるいは未作成とされ、隠蔽される事態が行政の中枢で常態化しています。 公文書を軽んじ、秘密が横行することは国民の「知る権利」を著しく傷つけるものです。本来公文書は、適切な施政が行われたのであれば、それを証明する記録となります。にもかかわらず、公的な情報を隠し続けて責任を曖昧にする理由は何でしょうか。この「無責任の体系」の背後にある情報公開と公文書管理体制の不備とその弊害を、最新情報を交え、第一人者が明快に解説します。 公文書の適切な管理の一案として、筆者は立法機関の公文書管理法や情報公開法が制定されるべきだと説く。さらに国会図書館を「立法公文書センター」として位置づけたらどうかと提案している。同様の議論はたまに国会議員からも寄せられたことがあるような気がするけど、実際NDLの中で議論になっているのかな?
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南スーダンPKOにおける現地部隊の「日報」破棄問題、森友学園問題に係る文書破棄問題、加計学園問題に係る「怪文書」問題、東京都の豊洲市場問題に係る公文書の杜撰な管理の問題など、最近の公文書管理に関する問題の背後にある情報公開と公文書管理体制の不備とその弊害について、公文書管理問題に...
南スーダンPKOにおける現地部隊の「日報」破棄問題、森友学園問題に係る文書破棄問題、加計学園問題に係る「怪文書」問題、東京都の豊洲市場問題に係る公文書の杜撰な管理の問題など、最近の公文書管理に関する問題の背後にある情報公開と公文書管理体制の不備とその弊害について、公文書管理問題に詳しい歴史学者がわかりやすく解説。 政策決定のプロセスが公文書という形で明示されることにより、国民・住民が政策について議論したり、検証したりすることが可能になるという点で、公文書管理や情報公開は民主主義の基盤であり、公文書がきちんと管理されることがいかに重要であるかということが、よく理解できた。また、「私的メモ」の横行や「一年未満」の保存期間の濫用など、現在の公文書管理の問題点についても理解が深まった。 ただ、雑誌の連載を再編集したものとのことなので仕方のない面はあるが、ちょっと時事的な問題に偏りすぎ、あまり体系性がなく、雑漠とした内容であるという印象はある。
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将来の歴史検証が難しくなるのを防ぐためにも、今だけよければ将来なんてどうでもいい、という態度でやり過ごそうとするのはやめてほしいと思った。 一方で、個人的な記録を残しておくことは大事だと思った。それらしきものをつけてはいたけど、もう少し目的をはっきりさせてみようと思った。
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◆本書刊行後にも、著者の予想だにしなかったであろう森友・加計に関して、新たな爆弾が炸裂している。ここで問題とされる公文書管理と国家保有情報開示の闇を開陳する本書。ただ本書の問題提起すら過小に思える現実に薄ら寒さを覚えるが…。◆ 2018年(2月)刊。著者は長野県短期大学准教授。...
◆本書刊行後にも、著者の予想だにしなかったであろう森友・加計に関して、新たな爆弾が炸裂している。ここで問題とされる公文書管理と国家保有情報開示の闇を開陳する本書。ただ本書の問題提起すら過小に思える現実に薄ら寒さを覚えるが…。◆ 2018年(2月)刊。著者は長野県短期大学准教授。 まさか刊行後に、新たな森友爆弾、財務省の公文書改竄、近畿財務局職員の自殺。 さらに加計爆弾(「首相案件」明記文書)と、これに関する国会での発言の虚偽性とともに、「イラク」派遣自衛隊日報の隠蔽と虚偽回答が露わになるなど、本書が提起する問題点はますます喧しく、そして公文書管理と、様々な発言の出鱈目さが露呈し続けている現状にある。 一方で、本書ではモリカケ、派遣日報はスーダンだけしか書かれていない。 この意味で、本書で書かれている内容すら、公務員の公文書管理の病巣を軽く見ている帰結になっているのは、皮肉と言う他はない。 さらに言えば…と書きたいが、余りにも固有名詞が批判的にバンバン出てきそうなので、これ以上は書かないが、性悪説でルール化=立法化しないとどうしようもない。あるいは偽計業務妨害罪適用の運用範囲を広げるなど(ただし摘発できても氷山の一角だし、検察庁も官僚内部という限界はあるが)も真剣に検討されなければならない感を強くする。 他方、本書はこの公文書管理、それを担う国立公文書館の施設拡充・更新に加え、特定秘密保護法の問題に紙幅を割いて言及している。深くはないが、取っ掛かりとしては意義深い。自衛隊日報関連でイラク派兵関連日報など、「無いものが有る」ことが明らかになり、背広組による制服組のコントロールが効いていない可能性も取りざたされる中、防衛関連秘密が多く特定秘密とされる実情を見ると、今後どのような目線で特定秘密保護法の運用に目を向け、また必要に応じて改廃の議論をなすべきとの問題意識を醸成できそうだ。 そもそも、自民党の福田康夫が丹精を込めて育て、岡田克也が実を入れた情報公開を放逐した人物らを本書は明らかにする。 また、これらの問題に関して、毎日新聞だけがマスコミで一人気を吐くお寒い現実(せめて経済外交分野くらいは日経に頑張ってもらいたい)。会計検査院(今回、森友で一定の役割を果たした)に対してすら様々な隘路で開示を拒もうとする様に、本当にこれでいいんですか、と。 兎も角、読破の価値ある書であることは確か。 ところで、政府文書の保管の必要性が叫ばれるようになったのは。まずはWWⅠ後のドイツ。戦争責任が自国にないことを主張するため(有利な敗戦後条約を結ぶため)様々な外交文書を駆使して主張を展開したところ、対する英仏らがこの主張を封じ込めるために外交文書を利用するようになり、その価値を見出した、とのこと。 つまり客観的なのを前提に(=説得力付与)、自国主張に有利な証拠を残置しておくという意義を見出したということだ。この意義と真逆の姿勢が終戦時における日本政府・軍の文書焼却ということは脳裏に止めておくべきか。
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言葉は穏やかながら、いうことはストレート。最近の公文書が絡む時事問題を取り上げており、公文書の原則とともに現実との関わりを学ぶことができた。
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公文書がいかに政策決定のプロセスを検証していくうえで重要かを解説した図書。具体的な事柄にも触れ、豊洲問題、南スーダンPKO、森友学園などに関する公文書がいかにずさんに管理されていたかも示す。 驚きなのは公文書管理法で「軽微なもの」は保存期間が「一年未満」という規定を抜け穴として使...
公文書がいかに政策決定のプロセスを検証していくうえで重要かを解説した図書。具体的な事柄にも触れ、豊洲問題、南スーダンPKO、森友学園などに関する公文書がいかにずさんに管理されていたかも示す。 驚きなのは公文書管理法で「軽微なもの」は保存期間が「一年未満」という規定を抜け穴として使っている点。さまざまな公文書を拡大解釈で「軽微なもの」とし、破棄しているようだ。さらには重要な政策決定のプロセスにも関わらず、公文書にせず私的メモ扱いして公開しないなど、日本の民主主義はどこいった的な現象が起きていた。今後もこの問題には興味を持っていたい。
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