聴くと聞こえる の商品レビュー
『聴くと聞こえる』on Listening 1950-2017 谷川 俊太郎 先週明けからの発熱、少し体を休めてから、今年は無事に年内最後の仕事を終えることが出来ました。(ただのパートなんですがほっとしています。^^) そして本年、大変お世話になりましたひだまりトマトさんの本棚...
『聴くと聞こえる』on Listening 1950-2017 谷川 俊太郎 先週明けからの発熱、少し体を休めてから、今年は無事に年内最後の仕事を終えることが出来ました。(ただのパートなんですがほっとしています。^^) そして本年、大変お世話になりましたひだまりトマトさんの本棚から、今年最後の感想の選書をさせてていただきました。(感謝ばかりです(*´︶`*)) こちらの本は、谷川俊太郎さんの初期の作品から2017年までの「聴く」ことをめぐるアンソロジー集になっています。 『聴くと聞こえる』というタイトルに込められた谷川さんの想いを、「あとがき」より僭越ながら抜粋する形でご紹介させていただきたいと思います。 ”「聞こえてくる」自然音に対して、人間が作る音楽を私たちは耳を通して心で「聴く」のです。”ー と、「聞こえてくる(聞く)」ことと、「聴く」ことの違いを語られた後で、 ”集中して「聴く」と、深いところにある「聞こえる」ものに気づくのではないか” 「活字で黙読する詩と、声で音読される詩は、時に全く違う感動を人にもたらします。」という言葉に深く心に落ちるものがありました。そして言葉は続きますー ”若いころから私は詩と音楽を切り離して考えたことはありませんでした。詩も音楽も沈黙・静けさを古里として生まれてくる姉妹なのです。”氏の温もりを感じる、この言葉に、これからも、僅かな時間でも、心で、聴いて、感じる、静かな時間を持っていたいと思いました。 収められた46の作品から、詩を一つ、ご紹介させてください。 「26」 ささやかなひとつの道を歩き続けると やがて挨拶の出来る親しいものが増えてゆく 小さな歌をうたっていると うたっている間の幸せが私のものだ 生きていると 死だけがまことの不幸せの名に価する 傷つくことさえ若い私にむしろ快い 痛みが私の生を証しする時に 私にとってかけがえのない一日一日 それらがいつまでも目覚めているといい ひそやかな だが確かなひろがりで やがて私の死の時に それらの日日こそが私の墓なのだ 私の信ずることの出来た重さのままに たくさんの言葉を届け、遺してくださった谷川俊太郎さん。 ありがとうございました。そしてこれからも感謝は続きます。 心よりご冥福をお祈りいたします。 ____________________ 遅くなりましたが、最後に今年のお礼を少しだけ、、 今年はブクログで感想をUPするようになり、皆さんの本棚から新たな愉しみを広げることができました。感謝の一年でした。m(__)m 来年も引き続き、マイペースにf^_^;続けていきたいと思いますので、また、どうぞよろしくお願いいたします。_(._.)_
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谷川俊太郎さんの詩集ですね。 2018年発行。 今月の13日に亡くなられました。慎んでご冥福をお祈り申し上げます。 『聴くと聞こえる』 on Listning 1950―2017 「物音」 明け方 どこかで 物音がする まどろみながら耳が 聞いている ...
谷川俊太郎さんの詩集ですね。 2018年発行。 今月の13日に亡くなられました。慎んでご冥福をお祈り申し上げます。 『聴くと聞こえる』 on Listning 1950―2017 「物音」 明け方 どこかで 物音がする まどろみながら耳が 聞いている 目覚めてしまいたくない 物音を運んでくる空気は生暖かく 一日の光はまだまぶたに隠れている どこかで なにか 物音がする いま在る何かがたてている音 かすかな音 ここに世界が在ると証ししている 匂いのように漂う どんな音もおろそかにしない 世界の静けさを信じきって 「きいている」 あさ ことりがうたうとき きいている もりが ひる かわがうたうとき きいている おひさまが よる うみがうたうとき きいている ほしが いつか きみがうたうとき きいている きみをすきになるひとが きょう ちきゅうがささやくとき きいている うちゅうが あす みんながだまりこむとき きいている かみさまが ねこのひげの さきっちょで きみのおへその おくで 「生きとし生けるものはみな」 雪にしるした足あとは いのちのしるしけものみち しるべもなしに踏み迷う 生きとし生けるものはみな 息をひそめて立ちつくす 闇へとつづくわかれみち あしたを知らず夢を見る 生きとし生けるものはみな 夜のしじまに輝いて はるかにめぐる星のみち よりそいながらそむきあう 生きとし生けるものはみな 子どもたちを愛し、自然を愛し、命を愛した、ロマンあふれる詩情豊かな歌声が響きます。 音楽や音、静寂、沈黙を語られたエッセイも寄せられた贈り物です。 谷川俊太郎さんの、詩やエッセイ、絵本、翻訳本などの遺された事物は、永遠に輝き、人々に未来を指し示されると思います。
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谷川俊太郎さんの詩はときどき目にするのですが、詩集を1冊まとめて読むのは初めてです。 クラシック音楽は谷川さんの生活に欠かせないものだったことも知りました。 次のようなセンテンスが心に残りました。【ネタバレです】 -音楽のとびら- より 言葉は音楽を語る事が出来ない。 音楽...
谷川俊太郎さんの詩はときどき目にするのですが、詩集を1冊まとめて読むのは初めてです。 クラシック音楽は谷川さんの生活に欠かせないものだったことも知りました。 次のようなセンテンスが心に残りました。【ネタバレです】 -音楽のとびら- より 言葉は音楽を語る事が出来ない。 音楽をめぐるいろいろな事、或いは音楽を聴く自分を語れはしても、音楽そのものは語れない。 -このカヴァティーナを- より ヴァイオリンとヴィオラとチェロ まるで奇跡のように人の愛憎を離れて 目では見ることの出来ない情景をぼくの心に出現させる それらはともに束の間の幻に過ぎないだろう 執着することも許されぬほどのはかなさでぼくらを掠め すぐにはるか彼方へと去ってしまう -音楽ふたたび- より 初めての音はいつ生れたのか 真空の宇宙のただ中に なにものかからの暗号のように ひそかに謎めいて どんな天才も音楽を創りはしなかった 彼らはただ意味に耳をふさぎ 太古からつづく静けさに つつましく耳をすましただけだ
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谷川俊太郎さんの作品が好きです。2年前、地元の美術館で「谷川俊太郎展」を観ました。90歳にして、ますます盛んな様子に勇気づけられます。Tシャツにジーンズ。一日一食、時間に追われず詩作に励まれる。理想的です。展覧会では、いろんな写真や愛用も品物なども観れました。この作品では、詩とコ...
谷川俊太郎さんの作品が好きです。2年前、地元の美術館で「谷川俊太郎展」を観ました。90歳にして、ますます盛んな様子に勇気づけられます。Tシャツにジーンズ。一日一食、時間に追われず詩作に励まれる。理想的です。展覧会では、いろんな写真や愛用も品物なども観れました。この作品では、詩とコラムが楽しめます。谷川さんのように年齢を重ねたいと思います。
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詩には明るくないし心揺さぶられているわけではないのに、不思議とページをめくる手が止まらない。 詩でない短文がたくさん入っていて、谷川さんの中から溢れる言葉の多さに驚く。溢れる気持ちを最小限に絞って表現された言葉だから、引き込む力が強いのだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2018年刊。 谷川さんの最も最近でた詩集のひとつです。 中身は1950年から2017年までにかかれた作品の中から、音楽や音、聞こえるもの、うた、などに関係のある詩を集めたものです。 あとがきに、谷川さんは「若いころから私は詩と音楽を切り離して考えたことはありませんでした。詩も音楽も沈黙・静けさを古里として生まれてくる姉妹なのです」と記されています。 私は高校3年までピアノを習っていたので、 「ピアノを開く時」 という詩に最も共感を覚えました。 あとは 「26」 「三月のうた」 も好きな詩でした。 「あのひとが来て」 はいわずと知れた名詩ですね。
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まずはこの装訂の美しさですよ。青がよく映える。。。 もちろん、中身は言わずもがななんですけどね、自分にとっては。
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ベートーベンを「聴く」 川のせせらぎが「聞こえる」 言葉で世界の全てを説明することは出来ない。音楽は世界と言葉の間に存在し、言葉の代わりになることは出来ない。 どちらもこの世界と人間をつなぐ、代替不可能な大切なもの。
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「あさ ことりがうたうとき/きいている もりが//ひる かわがうたうとき/きいている おひさまが//よる うみがうたうとき/きいている ほしが//いつか きみがうたうとき/きいている きみをすきになるひとが//きょう ちきゅうがささやくとき/きいている うちゅうが//あす みんな...
「あさ ことりがうたうとき/きいている もりが//ひる かわがうたうとき/きいている おひさまが//よる うみがうたうとき/きいている ほしが//いつか きみがうたうとき/きいている きみをすきになるひとが//きょう ちきゅうがささやくとき/きいている うちゅうが//あす みんながだまりこむとき/きいている かみさまが//ねこのひげの さきっちょで/きみのおへその おくで」(きいている)
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本著の情報を見かけたときから ずっと読みたいと思っていて 焦がれるうちに そのタイトルが はなれたりつながったりして あとがき読んだら 詩人のなかでも同じことが起こっていて ああ だから やっぱり ことばが好き *** 時 はまるで音楽のようだ 音楽はまるで 時 のようだ ...
本著の情報を見かけたときから ずっと読みたいと思っていて 焦がれるうちに そのタイトルが はなれたりつながったりして あとがき読んだら 詩人のなかでも同じことが起こっていて ああ だから やっぱり ことばが好き *** 時 はまるで音楽のようだ 音楽はまるで 時 のようだ そんなふうに 在る ものだと この詩集を読んで思う *** 初期の詩(68年も前の)に日付がついている それはことばの、詩の誕生日のよう
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