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今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/05/09

日本における奨学金制度を詳らかにした書籍。ここ数年、メディアリテラシーを賑わす奨学金返済地獄の真相についても書かれている。 つまり、給与は上がらないのに、授業料はどんどん上がって奨学金に頼らざるをえない仕組みが背景にあるということ。 ドイツのように授業料が安ければ、アメリカの...

日本における奨学金制度を詳らかにした書籍。ここ数年、メディアリテラシーを賑わす奨学金返済地獄の真相についても書かれている。 つまり、給与は上がらないのに、授業料はどんどん上がって奨学金に頼らざるをえない仕組みが背景にあるということ。 ドイツのように授業料が安ければ、アメリカのようにニードベース奨学金があればと思うが、ないものは仕方ないね。 使えるものをタイミングよく使えるように、アンテナを張る必要がある。

Posted byブクログ

2022/11/27

経済的困難にあったとしても「教育の力によって貧困の連鎖から脱せられる」ように そう願う著者の思いを強く感じられる本。 教育費の支援としての各種奨学金や大学授業量免除制度、高等教育機関の学費や学校間の影響、海外の奨学金や学費事情などを紹介していく。 奨学金問題というには日本学生支...

経済的困難にあったとしても「教育の力によって貧困の連鎖から脱せられる」ように そう願う著者の思いを強く感じられる本。 教育費の支援としての各種奨学金や大学授業量免除制度、高等教育機関の学費や学校間の影響、海外の奨学金や学費事情などを紹介していく。 奨学金問題というには日本学生支援機構に、日本の高等教育というには都内の高校と東大に偏ってはいるが、奨学金問題を越えた広い問題意識が著者にあることがわかる。 それもそのはずで、著者は凄まじい経済的困難な家庭環境に育ちながら、複数の奨学金を利用して東大、ハーバードとトップの高等教育を受けた経歴を歩んできたのである。 いや、それもそのはず、ではない。このような苦しい過去とその後の輝かしい成功の後で、依然として苦しい人達の立場に思いを馳せて問題意識を忘れず行動をするのは容易ではない。 そうかといって、本書では著者が自身の経験に影響を受けて感情的になったり経験に依存した知識の偏りが目立つということはなく、筆致は冷静でデータを多く引用しながら論理的に話を進めている。話の説得力は強い。 第4章「教育格差をなくすための9つの提言」はどれも硬軟織り交ぜた内容で、興味深く示唆に富む。 心も動いたし、大変勉強にもなりました。

Posted byブクログ

2022/05/23

800+税 貧困層に向けた本。中間層だと学びにはなるが役には立たない内容。最後の内容は他国と日本との比較などこうなればいいなという話。

Posted byブクログ

2018/07/21

著者の経験のみならず、データでの裏付けがあるので説得力があった。 奨学金に関して、ずっと"借金"と思っていた部分もあったが、ただ"借金"という言葉だけが一人歩きしていて、もっと本質を見る必要があった。 ただの奨学金肯定だけでなく、教育関係と...

著者の経験のみならず、データでの裏付けがあるので説得力があった。 奨学金に関して、ずっと"借金"と思っていた部分もあったが、ただ"借金"という言葉だけが一人歩きしていて、もっと本質を見る必要があった。 ただの奨学金肯定だけでなく、教育関係という分野において考えるような内容。 学生だけではなく、親や教育関係者も是非読んで欲しい一冊。

Posted byブクログ

2018/03/31
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※このレビューにはネタバレを含みます

とても説得力がある。私が見たことのある、経験したことのあることと矛盾しない。留学してしまえ、は正しい。

Posted byブクログ

2018/03/22

「ブラック奨学金」「奨学金地獄」など、最近とにかく悪者にされる奨学金。 そんなセンセーショナルなフレーズに怯えて、進学を諦める、もしくは諦めさせられる子どもたちもきっと多いだろう。 高校時代から奨学金を受け、大学では学費免除も受けながらアルバイトにも励んで東京大学を卒業した著者に...

「ブラック奨学金」「奨学金地獄」など、最近とにかく悪者にされる奨学金。 そんなセンセーショナルなフレーズに怯えて、進学を諦める、もしくは諦めさせられる子どもたちもきっと多いだろう。 高校時代から奨学金を受け、大学では学費免除も受けながらアルバイトにも励んで東京大学を卒業した著者にとって、奨学金は「16歳の頃にもらった『希望の光』」だった。この本を著した今もまだ奨学金返済中だという。 奨学金を返せずに苦しむ人が増えているというが、「大学全入時代」とも言われる現代、そもそも奨学金を借りる人が激増していて、借りている人を分母にすると、返せない人のパーセンテージはむしろ減っているという事実を、著者ははじめに淡々と述べている。そして、日本学生支援機構を代表とする貸与型の奨学金を悪者にして叩く風潮に対して、著者は疑問を投げかけている。 この本の好ましいところは、現状に対してさまざまな提言がなされている点である。その全てがとても有意なものと感じられたが、私が特にいいなと思ったのが ・奨学金返済を所得控除に計算できる「奨学金減税」 ・働きながら学べるオンライン・夜間主コースの拡充 ・クラウドファンディングで個人が個人を支援する「21世紀型『あしながおじさん』」 という3点だ。 詳しくは是非本書を手に取って読んでいただきたい。 何かを悪者にして現状を嘆くだけでは何も解決しない。いやらしい表現だが、子どもはこの国の大事な貴重な資源である。もちろん大学が全てではなく、あらゆる教育の機会をすべからく子どもたちが享受できるように、さまざまな建設的な取り組みがなされることを願いたい。 子を持つ人、教育者、為政者などあらゆる人に読んでほしい良書。

Posted byブクログ

2018/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

<目次> プロローグ  親の年収ゼロだけど奨学金で東大・ハーバードに行けた 第1章  検証「奨学金地獄」~なぜ奨学金は社会問題となったのか 第2章  貧乏でも東大に行けるのか?~日本の「教育とお金」 第3章  海外の教育事情と奨学金制度 第4章  教育格差をなくすための9つの提言 <内容> 現在大きな問題となっている「奨学金問題」。多くの人々(自分も含めて)が、以下の奨学金制度には問題ありと思っているが、大変不遇な環境で育ちながら、東大・ハーバードへと進めた著者が、それに対して「おかしいのではないか?」と指摘し、根底にある教育格差をなくすための9つの提言をした書。 著者の努力はよくわかるが、やはり問題はあると感じる。著者まで不遇ならまた違うのかもしれないが、そこそこの収入があるにもかかわらず、奨学金を申請し、大学卒業後に多くの返済に苦しむもの。自助努力が足りないのかもしれないが、そうとも言えない気がする。データを駆使して説得力を増そうとしているが、目の前の生徒たちを見ると、データでは計り知れない何かを感じる。ここ数年は就職戦線が売り手市場なので、ちょっと風向きが変わるかもしれないが、近い将来、さらなる「奨学金地獄」が待ち受けているのではないか?政府や経済界の動きが鈍ければ、この問題はさらに深刻化しそうな気がする。

Posted byブクログ

2018/03/11

昨今マスコミが騒ぐ”奨学金”問題を客観的に分析し、(高等)教育とお金にまつわる問題を冷静に論じています。冷静なだけにまともな意見であり、昨今の”奨学金叩き”のような内容と比べたらあんまり面白くないかもしれません。「日本学生支援機構(旧育英会)の奨学金はサラ金より酷い」とか、「金持...

昨今マスコミが騒ぐ”奨学金”問題を客観的に分析し、(高等)教育とお金にまつわる問題を冷静に論じています。冷静なだけにまともな意見であり、昨今の”奨学金叩き”のような内容と比べたらあんまり面白くないかもしれません。「日本学生支援機構(旧育英会)の奨学金はサラ金より酷い」とか、「金持ちじゃないと東大には行けない」のような、新聞・週刊誌、テレビなどで散見される極端な論調は正しくないとデータを使って反論しています。が、そもそもそういうのは極端な例を取り上げているわけで、マスコミというのはそういうものであり、総論としては著者の言うとおりだと思います。現状でも授業料免除などもあるし、奨学金の大半が貸与とは言っても、銀行のローンに比べれば無利子か非常に低い利子なわけでその利子の差額は実質的には給付されている面もある。他にもいろいろと学費の援助を受ける方法はあるわけで、貧しい家庭に育っても、本人が望んで能力があれば希望する教育が受けられるようになるためには、本人もそれなりに情報を得て戦略を練ることが必要なようです。奨学金もクラウドファンディングのような仕組みで個人が応援者を募って得るというアイディアはこれから実現されていくかもしれないと思った。

Posted byブクログ

2018/02/09

奨学金にまつわる様々な問題を、メリット・デメリットどちらかに偏ることなく、豊富なデータをもとに分析しています。日本社会の教育とお金を考えるうえで必読の書だと思います。本の中で提言されている「奨学金減税」はぜひ実現してほしい。

Posted byブクログ