天皇の歴史 天皇と摂政・関白(3) の商品レビュー
天皇制度及び皇族制度について、詳細な説明は目が開かれる。摂政と関白の違い、その場合の天皇との決裁などの流れ。そして太政大臣などの太政官制度との関係などの記述、天皇がある意味「機関」になっていた摂関時代であることを痛感する。道長は左大臣として権力を揮い、摂政は短かったし、関白には...
天皇制度及び皇族制度について、詳細な説明は目が開かれる。摂政と関白の違い、その場合の天皇との決裁などの流れ。そして太政大臣などの太政官制度との関係などの記述、天皇がある意味「機関」になっていた摂関時代であることを痛感する。道長は左大臣として権力を揮い、摂政は短かったし、関白には就任していない!このあたりのメカニズムが面白い。陽成天皇の奇矯な素行で藤原基経に退位を強要され、健康を理由に退位したこと、その後65年間の人生のことなどは大変興味深かった。摂関時代から院政への移行が進んだことの説明も分かり易い。律令制下では皇族女性(内親王)の臣下との婚姻が許されていなかったなど、驚きの事実だった。現人神の扱いをされたのは天武とその直後に限られ、むしろ祀る側の司祭者だったとの説明も興味深いところ。
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参考文献もたっぷり。「天皇と摂政・関白」のハンドブック的1冊。 実用主義アプローチなどで歴史を学んでいきたい人にとっては読むのがしんどいかもしれない。
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このシリーズは有難い。天皇の存在は古代史において特に重要だが、一方見えにくいところもあるから。個人的には宇多天皇の個性が際立って書かれていて印象的だった。桓武になぞらえるのも新鮮だし、醍醐への忠告も当時の天皇の教えを押さえていて面白い。
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序章 天皇の変貌と摂関政治 第1章 摂政・関白の成立と天皇 第2章 「延喜・天暦の治」の時代 第3章 摂関政治の成熟 第4章 王権をめぐる人々 第5章 儀式・政務と天皇 第6章 仏と神と天皇 第7章 摂関期の財政と天皇 終章 天皇像の変容 著者:佐々木恵介(1956-、日本史)
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