収容所のプルースト の商品レビュー
2023年2月 「収容所で一冊だけ許されるとすれば、どの本を持っていきますか」 ソ連収容所で零下45度に達する寒さの中での労働の後に行われた、チャプスキのプルーストについての講義の記録である。 満足に本のない収容所で、自分の記憶のみを頼りに語ったため、文学批評というよりも自分の思...
2023年2月 「収容所で一冊だけ許されるとすれば、どの本を持っていきますか」 ソ連収容所で零下45度に達する寒さの中での労働の後に行われた、チャプスキのプルーストについての講義の記録である。 満足に本のない収容所で、自分の記憶のみを頼りに語ったため、文学批評というよりも自分の思い出語りだとチャプスキは言う。 この本は、収容所を生き抜いた人の歴史的なノンフィクション要素あり、生きるのに必要なものは何かという哲学的な問いであり、もちろん『失われた時を求めて』という作品の解説である。 文学を楽しむ心は極限状況で人を生かすことができるのか、という感嘆。
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ソ連の強制収容所の中でポーランドの軍将校が、苛酷な肉体労働に耐えるために「連続講義」をしていた。その連続講義の中の、プルーストについての講義をいくつかの残存していたノートと共に復元したもの。 フランス社交界についての本など、過酷な収容所では何の意味をも持ちえない、ということはない...
ソ連の強制収容所の中でポーランドの軍将校が、苛酷な肉体労働に耐えるために「連続講義」をしていた。その連続講義の中の、プルーストについての講義をいくつかの残存していたノートと共に復元したもの。 フランス社交界についての本など、過酷な収容所では何の意味をも持ちえない、ということはない。逆にそれこそが生きる糧となったのだ。最近よく”文系”軽視的な言説を見るが、事実はそうではない、ということ。逆に”人間として生きる”ためにそうしたものこそが重要だということ。
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収容所でテキストなしに記憶だけでこれだけの講義をしたことに驚いた.またプルーストへの傾倒ぶりのわかる「失われた時を求めて」の解釈に目を見張る思いだ.
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収容所でなぜプルーストが語られたのか。文学の意義を考えてしまう。内容はともあれ、プルーストの時代背景の説明は参考になる。
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レビューはこちらに書きました。 https://www.yoiyoru.org/entry/2019/06/17/000000
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ソ連の強制収容所のなかで行われたプルーストの講義録。資料も本もないなか、記憶と書物への愛情と、知への渇望のみを土台として行われた講義。そのシチュエーションだけでも胸をつかまれるのだけど、わたしのようにプルーストを読んだことのない者にとってもわかりやすい、格好の入門書になっていると...
ソ連の強制収容所のなかで行われたプルーストの講義録。資料も本もないなか、記憶と書物への愛情と、知への渇望のみを土台として行われた講義。そのシチュエーションだけでも胸をつかまれるのだけど、わたしのようにプルーストを読んだことのない者にとってもわかりやすい、格好の入門書になっているところもすごい。あいだのページに、講義録がカラー写真で挿入されていて、そこから伝わってくる熱にも胸を打たれた。
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「夜と霧」(VEフランクル)や「ラーゲリから来た遺書」(辺見じゅん)のように、極限状況に置かれてなお尊厳や崇高さを失わずに生き抜いた人間がいることを教えてくれる一冊。その核心である、著者が収容所で行ったプルースト「失われた時を求めて」の講義録は私自身浅学にしてほとんど理解できなか...
「夜と霧」(VEフランクル)や「ラーゲリから来た遺書」(辺見じゅん)のように、極限状況に置かれてなお尊厳や崇高さを失わずに生き抜いた人間がいることを教えてくれる一冊。その核心である、著者が収容所で行ったプルースト「失われた時を求めて」の講義録は私自身浅学にしてほとんど理解できなかった。残念!
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