ナイルパーチの女子会 の商品レビュー
大手商社に勤務する英利子は、信奉している主婦ブロガーの翔子と偶然出会い、意気投合します。ところが翔子は英利子のストーカーのような行動に違和感を感じ、彼女を拒絶します。しかし翔子の浮気現場を押さえて弱みを握った英利子は、「親友になって」と翔子に強要します。なぜ英利子は「女友達」にそ...
大手商社に勤務する英利子は、信奉している主婦ブロガーの翔子と偶然出会い、意気投合します。ところが翔子は英利子のストーカーのような行動に違和感を感じ、彼女を拒絶します。しかし翔子の浮気現場を押さえて弱みを握った英利子は、「親友になって」と翔子に強要します。なぜ英利子は「女友達」にそこまでこだわるのか? 翔子と偶然であった喫茶店も、英利子はリサーチ済みだったように思えます。序盤の英利子はバリキャリとして描かれていましたが、早い段階で彼女の粘着質で自己中心的な素顔が明かされます。特に思い込みの激しさが際立ち、「私が〇〇してあげなければ」「〇〇すべきだ」と英利子が翔子などの他人を見下し、コントロールしようとする場面が度々ありました。「ナイルパーチ」とは、外来種で、生態系を壊してしまう魚です。翔子の世界を英利子は食い尽くし、ブログまで乗っ取ってしまう、まさに英利子は「ナイルパーチ」として描かれていました。 中盤以降も勢いは衰えず、ページを目くる手が止まりませんでした。そして翔子もまた闇を抱える人物。思い込みが強く、父親との問題を他人に押し付けたり、放置したりしていました。彼女もまた「友達がいない」。心を通わせる友達と苦しみを分かち合えていたら...評価や役割にしがみつくしかない彼女たちは支配と依存でとことん落ちていきます。 面白かったけど、登場人物だれ一人も共感できなかった... 最初やばそうに見えた恭子が一番常識人だったっていう。とにかく登場人物たちの強烈な行動に「なんでそうなっちゃうの...」と呆れと哀れみと嫌悪を感じて思わず空を仰ぎ見てしまう。帯に「衝撃作」と描いてありましたが、最初から最後までそんな感じでした。しかしさすがに最後は現実を見て行動しようとする翔子の前向きなラストで、私の心も落ち着きを取り戻しました。やれやれ。
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心と体が追い詰められているにも関わらず、また会社に行きひとつひとつ作業をこなして行く、えりこ偉いよ。最後の母との距離感いい。どんなになっても、あなたは綺麗よ。
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久々の柚木麻子さん作品。 柚木さんの作品は面白いと感じることが多いので期待していたが、やはり期待を裏切らない。 「女同士に限らず、人間関係って一色じゃないじゃない。いろいろなものを含みながら、変化して続いていくものじゃない」 女同士の嫌な関係とか、親子の関係とか読んでいて気持ちが...
久々の柚木麻子さん作品。 柚木さんの作品は面白いと感じることが多いので期待していたが、やはり期待を裏切らない。 「女同士に限らず、人間関係って一色じゃないじゃない。いろいろなものを含みながら、変化して続いていくものじゃない」 女同士の嫌な関係とか、親子の関係とか読んでいて気持ちがしんどくなった。現実離れしてると思って読んでいたが、分かるな、あり得るなと思った。 読んで良かった。
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BUTTERの出版が2017年。 本作「ナイルパーチの女子会」が2015年。 まさに“BUTTER前夜”といった作品だった。 タイトルに「女子会」と銘打たれているし、 実際作中で描かれているのは女性同士の関係性について。 でもそこから社会全体の 歪みのようなところまでテーマが...
BUTTERの出版が2017年。 本作「ナイルパーチの女子会」が2015年。 まさに“BUTTER前夜”といった作品だった。 タイトルに「女子会」と銘打たれているし、 実際作中で描かれているのは女性同士の関係性について。 でもそこから社会全体の 歪みのようなところまでテーマが到達する。 家庭にいること。 子を育てること。 社会にいること。 地位を持つこと。 カネを稼ぐこと。 カネは性別にかかわらず稼ぐことができるが、 子を産むことは女性にしかできない。 この非対称性を、 いまだに男性も、社会も、 あるいは女性自身も、まだ対処できていないのかもしれない。
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人間心理を炙り出す「ホラー小説」と感じた作品。 ドロドロとした関係やゴシップ好きな方はきっとハマると思います◎柚木さんといえば『Butter』を想起する人が多いと思うけれど、この作品もおすすめ。 性格が悪く、どうしようもない登場人物が出てくるのだけれど、ほんの一欠片でも自分の中...
人間心理を炙り出す「ホラー小説」と感じた作品。 ドロドロとした関係やゴシップ好きな方はきっとハマると思います◎柚木さんといえば『Butter』を想起する人が多いと思うけれど、この作品もおすすめ。 性格が悪く、どうしようもない登場人物が出てくるのだけれど、ほんの一欠片でも自分の中にも同様の性質があるのではないか?と感じさせられる箇所が複数あり、人との関わり方を見つめ直そうと思わせてくれました。
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心えぐられる作品でした。全てにおいて完ぺきなのに女友達が1人もいない栄利子。翔子への執着に、暴走に、私は「1人でもいいじゃない」とはとても言えません。ナイルパーチが生態系を壊したように、栄利子の存在によって翔子の人生も(自業自得ながら)壊されてしまった。とにかく読み進めるのが辛いはずなのに、次へ次へと読む手が止まらずに一気に最後まで読んでしまいました。表紙の軽やかな女性たちの笑顔とは裏腹に内容には狂気ともの悲しさしかありません。著者の女性へのリアルな解像度に惚れ惚れする、すごい作品でした。
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本屋さんのダイアナがとても良かったので、柚木さんの作品をまた読みたいと思っていたところ、柚木さんファンの職場の後輩が勧めてくれました。 中学高校の頃に読んでいたら登場人物全員が怖くて冷たく、あまりにも極端な小説の中でしかありえない世界だと感じて終わりだったかも。 でも実は意外と...
本屋さんのダイアナがとても良かったので、柚木さんの作品をまた読みたいと思っていたところ、柚木さんファンの職場の後輩が勧めてくれました。 中学高校の頃に読んでいたら登場人物全員が怖くて冷たく、あまりにも極端な小説の中でしかありえない世界だと感じて終わりだったかも。 でも実は意外と皆生きている中で感じたことがあるものなのかもしれないと思った。 ・友人関係も夫婦関係も成り立たせることは実は難しい。 ・幼い頃の自分の経験がその後の人生ずっと影響する。 ・過剰なストレスにより人はまともな思考を保てない。 ・外見や振る舞いについて他人からの評価に常に気を張って、いったい自分は何者なのか何がしたいのかがわからなくなる。 ・その人にとっては何の考えもなしに発した言葉の受け取り方を間違える。 ・家族も人間同士なのだから合わない人間がいてもおかしくはないのに、家族なら分かりあうべきという呪縛。 真織も同じく怖い人間のひとりに思えたが、最後栄利子に「何年もどんなに努力しようが、少しも上手くいってないじゃん。だから、離れなきゃいけないんだよ、この場所から」「水槽を変えろよ」と言った場面は、暴言の中に栄利子への優しさを少し感じた。その発言があったかなかったかによって栄利子の人生は大きく違っていたように思う。 柚木さん作品をまた次読んでみたいと思います。
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あまりにリアルな女の友情を描いた作品。 自分だけの悩みじゃなかったのかと安心すると同時に、不器用さゆえの救われなさと僅かな希望に光を見出したり、、 色々な感情が溢れてきました。
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「女友達ができない」という共通点を持ちつつ、別ベクトルに痛々しい女性2人の物語。 作中では少ししか出てこないが、それだけで物語が書けそうなそれぞれの過去の経緯から2人が今どうしてこうなってしまったのか想像させられる。これから自分の輪郭を捉えていくことができるのか、2人の未来に自分...
「女友達ができない」という共通点を持ちつつ、別ベクトルに痛々しい女性2人の物語。 作中では少ししか出てこないが、それだけで物語が書けそうなそれぞれの過去の経緯から2人が今どうしてこうなってしまったのか想像させられる。これから自分の輪郭を捉えていくことができるのか、2人の未来に自分を重ねる人も多いと思う。
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どの子も不器用で可哀想だけど、関わり合いにはなりたくない。 こういう人って、いるよね。 女友達って何か、男女の関係性の脆さとか、 いろいろ考えさせられた。
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