ビザンツ帝国 生存戦略の一千年 の商品レビュー
皇帝を軸としたビザンツ帝国の通史。不安定な地域で長く命脈を保つ要因となった対外戦略や、それを支えたビザンツ社会の変遷が理解しやすい。十字軍による首都陥落が致命的であったと感じさせられた。
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軸となる皇帝の治世を中心にビザンツ帝国の歴史を描いている。原著のタイトルは『The Lost World of Byzantium』だが、邦題の『ビザンツ帝国 生存戦略の一千年』というタイトルは一層、本書の内容を良く表しているように思う。繰り返し襲いかかる危機に軍事力よりも、外交...
軸となる皇帝の治世を中心にビザンツ帝国の歴史を描いている。原著のタイトルは『The Lost World of Byzantium』だが、邦題の『ビザンツ帝国 生存戦略の一千年』というタイトルは一層、本書の内容を良く表しているように思う。繰り返し襲いかかる危機に軍事力よりも、外交、文化、宗教などなど様々な力を駆使した戦略でしなやかに立ち向かう帝国の姿が生き生きと描写されている。まさに「生存戦略の一千年」。コンスタンティノス5世を高く評価しており、また黄金期を築いたとされるバシレイオス2世の治世はその後の危機の原因をはらんでいたとして評価が厳しい点など示唆に富んでいて面白い。
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東ローマにおいて、千年続いたビザンツ帝国の歴史書です。 強力な軍を持たずに存続することができたのは、周辺に対する外交力と文化力によるものでした。 四方を敵対的な民族や国家に包囲される状態が永年続き、信頼できる防壁と正に秘密兵器ギリシアの火によって軍事面を補完しました。 皇帝を中心...
東ローマにおいて、千年続いたビザンツ帝国の歴史書です。 強力な軍を持たずに存続することができたのは、周辺に対する外交力と文化力によるものでした。 四方を敵対的な民族や国家に包囲される状態が永年続き、信頼できる防壁と正に秘密兵器ギリシアの火によって軍事面を補完しました。 皇帝を中心にビザンツの歴史が進行し、時代の変遷を肌で感じられます。 しかし、ギリシア世界の予備知識があれば、更に読み進めやすいだろうと思えました。
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