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マイタの物語 の商品レビュー

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2019/03/23

ペルー一地方の小規模な反乱をモチーフにした長編。原書が刊行されたのは30年(!)ほど前になるそうで、ほぼ邦訳が刊行されているバルガス=リョサの作品としては『埋もれていた』と言えるのではないか。 本書から感じられるのは、言うなれば『無常観』のようなもので、本国でどういう需要のされ方...

ペルー一地方の小規模な反乱をモチーフにした長編。原書が刊行されたのは30年(!)ほど前になるそうで、ほぼ邦訳が刊行されているバルガス=リョサの作品としては『埋もれていた』と言えるのではないか。 本書から感じられるのは、言うなれば『無常観』のようなもので、本国でどういう需要のされ方をしたのかは解らないが、何というか、『虚しさ』が根底に強く流れているような気がする。 ところで、『ジョサ』の方がより原語の発音に近い……というのは知られた話だろうとは思うのだが、出来れば『リョサ』表記にして欲しい。こういうのは下手に混在させる方がややこしいんじゃないのかなぁ……。

Posted byブクログ

2019/02/03

マイタと言う名の革命家の足取りを追うジャーナリスト。マイタは幼少の頃、自分の食べ物やおこづかいを浮浪者に手渡すような「世の中をよくしたい」と考える人間だった。 25年前位の出来事をなぞる。話を何とか聞くも「あー、あいつねー、いたかも。で、なんであいつなの?」とテンションは低い。ユ...

マイタと言う名の革命家の足取りを追うジャーナリスト。マイタは幼少の頃、自分の食べ物やおこづかいを浮浪者に手渡すような「世の中をよくしたい」と考える人間だった。 25年前位の出来事をなぞる。話を何とか聞くも「あー、あいつねー、いたかも。で、なんであいつなの?」とテンションは低い。ユーモアという訳でもないが、人間ふぜい一人がこころざしを高く持った所で、世の中変わるもんかいな、という怠惰な空気がさまよう。不思議とマイタは、「こうあるべき」という主義主張のない人物だったな。 周りはやたら、気にする人たち。

Posted byブクログ