XTC コンプリケイテッド・ゲーム の商品レビュー
イギリス人であるアンディ・パートリッジと、アメリカ人であるトッド・バーンハートによる、電話インタビューをまとめたもの。 XTCのそれぞれのオリジナル・アルバムから数曲ずつ、そしてデモや未発表を集めた「ファジー・ウォーブルズ」のシリーズから1曲、合計30曲に及ぶ楽曲についての質...
イギリス人であるアンディ・パートリッジと、アメリカ人であるトッド・バーンハートによる、電話インタビューをまとめたもの。 XTCのそれぞれのオリジナル・アルバムから数曲ずつ、そしてデモや未発表を集めた「ファジー・ウォーブルズ」のシリーズから1曲、合計30曲に及ぶ楽曲についての質疑応答になっている。 インタビューそのものは10年程前に行われ、最初はインターネット上で公開、書式化にあたり加筆や補足を加え2016年に出版された。 インタビュアーであるトッドは、時にのらりくらりと返答をすり抜けようとするアンディに対して、執拗にかつ的確で突っ込んだ質問をするので、その二人の間の駆け引きのようなものが読んでいてとてもスリリング。 たまに不穏な空気になる場面もあるが、結果としてアンディはきちんと返答をしている。 ソングライティングに関することだけでなく、詩に関してもかなりのパートが割り振られており、今まであまりアンディの詩に関心を持ってこなかった僕としては、目からウロコ的な話も多かった。 カッコ書きでどのような状況で返答しているか(例えば「コックニーなまりで答えている」とか「軽く笑う」とか「こんな声色を使っている」とか「ギターを弾きながら」とか)が説明されるので、臨場感も結構ある。 また、これはもしかしら翻訳時に追加されたのかも知れないが、例えばこの曲のこの場面はこれこれこうなんだ、といった返答の際には、きちんと「楽曲の1:30を過ぎたあたりのことを指す」といった感じで、曲を聴きながら容易にサーチできるようにもなっている。 トッド・バーンハート自身がドラマーであり、また作曲もしているようなので、かゆいところに手が届く質問が多い。 そして何よりもXTCに対する愛情に満ちており、知識も半端なく豊富なので、トンチンカンな質問はまず皆無。 アンディも冗談を交わしたり、他愛もない下ネタを織り交ぜながら、きちんと答えている。 この手のインタビュー集の中では、かなり良い出来なのかな、と思う。 ちなみに、アンディが一番良い香りがした女性として名前を挙げているのが、鈴木しょうこさん(以前は鈴木祥子と表記されていた)だそうな。
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