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キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶 の商品レビュー

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2018/12/03

思いのほか時間を取られた本。本文に出てくるが、著者と中村紘子との関係が深くはなかったということで、中村本人のインタビュー記事や著書、あえて周辺にいる関係者からの取材で構成されている。確かにニュートラルな立ち位置で、日本で最も有名なピアニストの実像を浮き彫りにしているが、読み進める...

思いのほか時間を取られた本。本文に出てくるが、著者と中村紘子との関係が深くはなかったということで、中村本人のインタビュー記事や著書、あえて周辺にいる関係者からの取材で構成されている。確かにニュートラルな立ち位置で、日本で最も有名なピアニストの実像を浮き彫りにしているが、読み進めるには骨の折れる本になってしまった気がする。 しかしながら、著者の意図通り、中村紘子という音楽家のシルエットが、余計なバイアスがかかる事無く見えたような気がする。また、こんな凄い女性を生み出したのは、時代と場所と才能のバランスによるものだとも感じられた。 自分にとって中村紘子は、CMに出演していた有名人の一人であり、旦那が芥川賞作家で、コンサートの出演料が半端ない金額という知識しかなく、人となりなど想像もしていなかった。実際にコンサートも行ったが、クラシック初心者にとって評価云々出来るほどの見識も無く、正直なところ、ステレオタイプの大御所というのが彼女に対するイメージだった。 今更だが、この本で大きく彼女への興味が湧き、やっと大御所の大御所たる由縁がわかった。 この本を読む直前に彼女のCDを手に入れて聴いていたのだが、残念ながら自分の耳にはフィットしなかった。しかし、無理な話だが、今一度彼女の演奏をコンサートホールで聴いてみたいと思った。

Posted byブクログ

2018/05/03

中村紘子さんの人生は戦後復興の軌跡と重なります。ピアニストとして常に主役のマドンナであり、クラシック界を政財界や世界とつなぎ、牽引されてきたカリスマです。ただ、今のクラシック界は、彼女の志と違い、日本はアジアの兄貴分ではなくなり、中国や韓国の後塵を拝しているのは残念なことです。

Posted byブクログ