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システムズアプローチ入門 の商品レビュー

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2020/03/15

 システムズアプローチの本家でもある吉川悟先生と、高橋規子先生から薫陶を受けられた中野真也先生の共著になります。吉川悟先生自身が、東豊先生と高橋規子先生と共著を出しており、読者としてはこの共著という形態に特別な意味づけをしたくなります。  始めにでは、合目的的認識論という言葉が...

 システムズアプローチの本家でもある吉川悟先生と、高橋規子先生から薫陶を受けられた中野真也先生の共著になります。吉川悟先生自身が、東豊先生と高橋規子先生と共著を出しており、読者としてはこの共著という形態に特別な意味づけをしたくなります。  始めにでは、合目的的認識論という言葉が出て来ており、これはシステムズアプローチの実践を表している言葉だと思います。システムズアプローチが絶対的な認識論ではなく、あくまで対人援助として関係を扱うための認識論だという理解を私はしました。  内容は、始めにベイトソンの考えを運用しながら、システムズアプローチの〈ものの見方〉を、先輩シンリと後輩シンリの対話で解説してあります。関係を扱うとは、相互作用とは、コミュニケーションパターンとは、システムとは、枠組みとは…各章が濃厚です。  実践編では(二回目を読んでいる最中なので書きかけ…)  各論では、システムズアプローチを身につけていく上でポイントとなる点の小論がいくつか記述されていています。私は、システムの範囲、対人援助職との協働、医療現場、の各論が気になりました。各論のポイントを頭に置きながら、自分自身の実践のコツを身に付けていきたいです。  私的な感想ですが、発売されてすぐに読んだ一回目と二回目では、ずいぶんと理解が変わりました。私自身の一回目の理解はかなり表面的だったらようです。普段、私達が意識的無意識的に用いている直線的因果論(言葉が持つ直線的因果論の性質や言葉は部分や地図でしかないということを含めて)から、自分自身の認識論を切り替えるのはなかなか難しいですし、理解したつもりになりがちです。自分自身の臨床が行き詰まり、自分自身の認識論を確認したいタイミングで再読すると、一回目と二回目の差異が明らかになり、自分の認識論がどれほど鍛えられたか確認することが出来るのかもしれません。

Posted byブクログ