読鉄全書 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今年は鉄道開業150年。私が「鉄道」という言葉で、すぐに思い浮かぶのは: 尾道の風景、島根の海岸線と山脈、駅弁、酒、文庫本、駅の立ち食い蕎麦、たまたま隣り合わせた人との弾んだ会話、独・仏・スイスの鉄道旅、「ああ上野駅」の歌詞の碑(上野駅)、新橋SL広場です。池内紀&松本典久編「読鉄全書(よみてつぜんしょ」、477頁、2018.2発行、どっしりしています。4つの章立て: ①乗るたのしみ ②鉄道に生きる ③鉄道でみつけたもの ④旅と人生。芥川龍之介の「蜜柑」も思い出しました。余部鉄橋、揺れました。
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鉄道ファンにも流儀があり、鉄道に乗るのが好きな人たちを「乗鉄(のりてつ)」と言い、鉄道の写真を撮影するのが好きな人たちを「撮鉄(とりてつ)」と呼ぶ。本書に題名にある「読鉄(よみてつ)」はだから、鉄道にまつわる本を読むのが好きな人たちであり、本書は鉄道関連の文章を集めたものである。...
鉄道ファンにも流儀があり、鉄道に乗るのが好きな人たちを「乗鉄(のりてつ)」と言い、鉄道の写真を撮影するのが好きな人たちを「撮鉄(とりてつ)」と呼ぶ。本書に題名にある「読鉄(よみてつ)」はだから、鉄道にまつわる本を読むのが好きな人たちであり、本書は鉄道関連の文章を集めたものである。書き下ろしもあれば、鉄道や旅に関しての名作からの抜粋もある。 編者は、池内紀と松本典久。書き手は例えば、阿呆列車の内田百閒、鉄道マニアを自認する関川夏央や阿川弘之、説明不要の宮脇俊三。沢木耕太郎の「深夜特急」からは、タイの鉄道旅行の話が抜粋されている。谷川俊太郎、小林秀雄、五木寛之、室生犀星、若山牧水、伊丹十三、向田邦子、片岡義男、萩原朔太郎、芥川龍之介、藤原新也、伊集院静、玉村豊男、等々、古今の有名作家も目白押し。 まえがき・あとがきを含めると、全部で43編の文章。純粋に鉄道の話もあるが、旅・移動、ひいては人生といった主題のものが多く、引き込まれるように読んだものも多い。私は「乗鉄」派であると思っていたが、「読鉄」派でもあるのだと気がついた。
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