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オリンピック・デザイン・マーケティング の商品レビュー

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2018/01/19

オリンピック関連本というより、現代のデザインのあり方を書いた本だった。読み終わってみればまさに題名どおりの内容だったのだが、オープンデザインという言葉はちょっとバズったりしただけに「雰囲気でつけたんじゃないの?」と少々疑ってたんだけど、誰もが一連の流れを知ってるエンブレム問題をオ...

オリンピック関連本というより、現代のデザインのあり方を書いた本だった。読み終わってみればまさに題名どおりの内容だったのだが、オープンデザインという言葉はちょっとバズったりしただけに「雰囲気でつけたんじゃないの?」と少々疑ってたんだけど、誰もが一連の流れを知ってるエンブレム問題をオープンデザインの実例として語っていて、そこらのこじゃれた本よりよほどリアリティと説得力があった。共創って簡単に言うけど、東京2020オリンピックパラリンピックのエンブレムの一連の過程を見ると、オープンデザインって結構苦痛なプロセスだと思う(特に一流のクリエイターにとって、また共創の相手がネット民だということも)。比較できるかわからないけど、リナックスなんかは機能が良くなっていけば良いわけで、そのためにみんなで協力していくイメージはわかる。でも感覚によるところも多いデザインの共創って難しいんじゃないか。ただデザインはアートと違ってコミュニケーション(この本では「使う」という言葉で表現されている)だとすれば、良いコミュニケーションを生み出せるのが良いデザインというのはわかる気もする。そこにはこれまでと違った評価軸でデザインを評価する必要が出てくるのだろう。あとどうしてもデザインの対価が気になってしまう。結局、デザインも新しいモデルでお金を稼いでいかなくてはならないことは確からしい。

Posted byブクログ