天才 の商品レビュー
天才が天才を描いた1冊。晩年しか知らない氏だけど、今太閤なんてもてはやされたのはわかる気がする。いつの時代も永田町は魑魅魍魎や牛頭馬頭のうごめく世界なんだろうけど、50年にひとりの逸材だったんだろうなぁ。失意の晩年になってしまったことが悔やまれるが、時代が変わっていたのかな、寵児...
天才が天才を描いた1冊。晩年しか知らない氏だけど、今太閤なんてもてはやされたのはわかる気がする。いつの時代も永田町は魑魅魍魎や牛頭馬頭のうごめく世界なんだろうけど、50年にひとりの逸材だったんだろうなぁ。失意の晩年になってしまったことが悔やまれるが、時代が変わっていたのかな、寵児だったころからは。
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都知事の印象が強すぎる石原氏の遺作。 角栄の自伝かと思いきや、作者の創作。もちろん、歴史的な事実は踏襲してるのでしょう。 ただ、ロッキードの件はどうなんでしょう?同書では、嵌められた、やってないと一貫して主張してますが、司法としては有罪判決がでています。 これは筆者である石原氏の...
都知事の印象が強すぎる石原氏の遺作。 角栄の自伝かと思いきや、作者の創作。もちろん、歴史的な事実は踏襲してるのでしょう。 ただ、ロッキードの件はどうなんでしょう?同書では、嵌められた、やってないと一貫して主張してますが、司法としては有罪判決がでています。 これは筆者である石原氏の想いを、代弁さしたのでしょうかね?共に、鬼籍ですので真相は彼方に行った時にでも、答え合わせしたいと思います。 戦後から、昭和の高度成長期、自民によるじゃぶじゃぶのインフラ投資に、裏金、二号さん、3号と、今の世では文春砲と、ワイドショーの格好のネタでしょうね。ただ、色んな意味でやることをやる。そんな逞しさとバイタリティに満ち溢れてた時代を、引っ張り続けた角栄の裏話を知れる意味では、一読の価値はあるかと思います。ただ、冒頭書いた通り作者の創作の部分もあるので、鵜呑みにはしない方向で
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石原氏は、田中角栄がきっと大好き。 あとがきで自分が彼を批判した事も書いているが、でもきっと、政治家として人間として、田中角栄を好きなのだと感じさせられる。 リアルタイムでは知らない政治家ではあるが、著者に誘導されて田中角栄を魅力的に思う自分がいる。 『自ら反りみて縮くんば千万人...
石原氏は、田中角栄がきっと大好き。 あとがきで自分が彼を批判した事も書いているが、でもきっと、政治家として人間として、田中角栄を好きなのだと感じさせられる。 リアルタイムでは知らない政治家ではあるが、著者に誘導されて田中角栄を魅力的に思う自分がいる。 『自ら反りみて縮くんば千万人といえども吾れ往かん。』 土木作業員としての経験や、庶民感覚を忘れない発想が、出自から一流の政治家たちを凌駕する。 今の世の中に彼が居たら、と思わされる一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろかったぁ〜 やはり田中角栄は、怒涛の人生だった。 父親の博労から、いじめ、病気、戦争などなど 田中角栄みたいな政治家がまた出てきてくれたらいいなぁ・・・
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田中角栄は清濁併せ呑む人物であった 別の言い方をすれば「みそくそ一緒」である かつて石原慎太郎が角栄を批判したのは 結局のところ、そういう品のなさを角栄の弱みとふんだからだろう 石原の青臭さ…敢えていうならどこか鬱屈して無軌道なイメージが このあたりで青年将校的な清新さに変換され...
田中角栄は清濁併せ呑む人物であった 別の言い方をすれば「みそくそ一緒」である かつて石原慎太郎が角栄を批判したのは 結局のところ、そういう品のなさを角栄の弱みとふんだからだろう 石原の青臭さ…敢えていうならどこか鬱屈して無軌道なイメージが このあたりで青年将校的な清新さに変換されたのではないか そんなポピュリスト石原の書く田中角栄は 一人称で、基本的に下界の動向から一線を画しつつ 目の前の現実を肯定的に合理化している 併せ呑むというより、薄めて飲んでる感が強い 大局を相手にする政治家なんてそんなもんでいいんだよ、と 言ってやれないこともないが ロッキード事件でムリヤリ「濁」を飲まされるに至っては 被害者づらしかできなかった 石原慎太郎の悪く自然主義的なところが出てるかもしれない
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石原慎太郎氏からみた田中角栄氏の1人称自伝小説。政界のカリスマ性や日中国交正常化を実現した政治家としての敏腕ぶりなど数々の業績を作って世に知らしめた方。今生きていれば此の日本をどう采配していたのか?興味深いところです。
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角栄の手記のような文体だが、あくまで石原慎太郎が書き下ろした題材ベースの小説だそうな。自分が子供の頃、角栄の名はとにかくロッキード事件にからめて頻繁にニュースに登場していた。政治のことなどもちろん皆目わからなかったが、鋭い眼光が放つオーラに並々ならぬ大物感を子供心に感じたものだ。...
角栄の手記のような文体だが、あくまで石原慎太郎が書き下ろした題材ベースの小説だそうな。自分が子供の頃、角栄の名はとにかくロッキード事件にからめて頻繁にニュースに登場していた。政治のことなどもちろん皆目わからなかったが、鋭い眼光が放つオーラに並々ならぬ大物感を子供心に感じたものだ。 オーラのみでなく実際に大物であったことは小説の中身からもよく伝わってきた。男ならこういう仕事をしろと檄を飛ばされているようだった。ロッキード事件については未だになんとなくしか知らないが、有罪判決至らしめたのは本当に米国の陰謀なのだろうかと思わされた。あと、どうせ小説なのだから(という言い方はよくないが)、愛人についてももう少し触れてほしかった。
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田中角栄の人生を描いた小説。一人称で描かれている。とても長いモノローグ。いや、角栄の目を通して石原慎太郎が語っているようにも思える。石原は角栄を描き何を伝えたかったのか。そして、ロッキード事件とは何だったのか。答えは見つかるのか?
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2月1日、芥川賞作家で東京都知事等を務めた石原慎太郎氏が逝去された。享年91歳。 その波乱万丈の人生を報じるニュースを見ながら、一度はその著書を読んでみようかと思い手に取った。 「天才」--田中角栄元総理大臣について、かつてはその金権体質を追及もした著者が、田中氏になり切って...
2月1日、芥川賞作家で東京都知事等を務めた石原慎太郎氏が逝去された。享年91歳。 その波乱万丈の人生を報じるニュースを見ながら、一度はその著書を読んでみようかと思い手に取った。 「天才」--田中角栄元総理大臣について、かつてはその金権体質を追及もした著者が、田中氏になり切ってその生涯を語る形をとった。 1969年生まれの私にとって、物心ついた時の田中氏の印象は、「何か悪いことをして捕まった元総理大臣」。 ニュース番組では盛んに批判されるのに、バラエティー番組では氏のものまねをして笑いを取る人が後を絶たない。 ともかく影響力が大きい人であったのだろう。 高等小学校卒。 生涯に30以上の議員立法を成立。 ロッキード事件で逮捕・起訴後も政権与党の最大派閥の領袖として君臨した。 彼が最も大切にしたものは、家族。 故郷新潟の両親。 第一子を早くに亡くした悲しみ。 もう一つの家族との物語。 人間くささが、良くも悪くもスケールの大きい活躍をした。 田中氏も、著者の石原氏も、昭和という時代を駆け抜けた一つの象徴であったことは間違いない。
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◉前説… 遠〜い記憶の中の田中角栄 田中角栄が1972年の自民党総裁選出馬直前に発表した政策綱領『日本列島改造論』。同時に出版もされ政治家の政策論集として空前のベストセラーとなった。 僕がその本を目にしたのは小学校の図書の時間。周りが江戸川乱歩やヘレンケラーの伝記を読んでる横で...
◉前説… 遠〜い記憶の中の田中角栄 田中角栄が1972年の自民党総裁選出馬直前に発表した政策綱領『日本列島改造論』。同時に出版もされ政治家の政策論集として空前のベストセラーとなった。 僕がその本を目にしたのは小学校の図書の時間。周りが江戸川乱歩やヘレンケラーの伝記を読んでる横で斜め読みしていた。一政治家の著作が小学校の図書館にまで配本されるぐらい、時の人だった。 続いてもうひとつ。 同年、首相に就任して2ヶ月後に実現させた日中国交正常化に日本中は沸き立った。通ってた小学校近くの神戸市立中央体育館で開催された日中の国旗が掲揚された記念式典に参加した記憶がある。そこには多分中華同文小学校の生徒も参加していた筈。この正常化調印の翌月、パンダ2頭が贈られ、カンカン・ランランと名付けられ、一目パンダ見たさに大フィーバーが起こった。 それから4年後の1976年、ロッキード事件が起こる。田中角栄は受託収賄党の嫌疑で逮捕され、報道は日を追って過熱し『記憶にございません』や『ピーナッツ』といった言葉はたちまち流行語となり、コント55号は早速ネタに取り入れ爆笑を誘い、小学生は学級会で真似するヤツが続出。 『今太閤』と褒め讃えた国民は金脈問題と愛人問題に愛想を尽かし、そこに降りかかった大疑獄事件に掌を返し、その転落劇に喝采を送る人は少なくなかった。 ◉かいつまんで… 異色も異色なノンフィクション 本書は、そんな毀誉褒貶甚しき政治家 田中角栄の波瀾万丈の歩みを、金権政治を真っ向から糾弾した石原慎太郎が十八番の一人称で綴った『異色』のノンフィクション。 ◉私見…石原慎太郎の天才 vs 大川隆法の霊言 問題はこの異色さにある。一人称ゆえに角栄になりすました語りが丸々慎太郎節。浪曲(浪花節)で培われた角栄節を知ってる者からすると違和感ありあり。むしろ政治家 石原慎太郎の視点から書くべきだった。田中角栄が語るという形式ゆえに、日本列島改造論の功罪の功は語るも罪〈土地投機や狂乱物価〉について言及しておらず、自画自賛が横溢。ちなみに一人称で描くとするなら、町田康が最適では。 それに加え、全編から漂う石原慎太郎のイデオロギー〈反米主義〉とロッキード事件もアメリカ陰謀説を下敷きにした見解を開陳。田中角栄の口を借りた自説演説とも取れ、大川隆法の霊言と同じ匂いを感じ苦笑い。 ◉読みどころ…石原さん、あなた角栄に弓を引いたよね それは〈長い後書き〉にある。 田中金権政治に対し著者特有の言辞をもって糾弾した者が、なぜ田中角栄について筆を執ったか…その理由。 そこに綴られた文章には、田中角栄に対する尊敬の念を虚心なく吐露。自身が東京都知事時代実現に至らなかった政策も、もし田中角栄が存命で力を借りることができていれば実現していたかも…と、政治手腕を高く評価。 政治家 石原慎太郎は福田派の重鎮ではあったが、党人派議員にある泥臭さもなければ、派閥のために汗をかく議員でもなく、かと言って政策通でもなく、マスコミ受けするパフォーマンスが目立つ一言居士的存在であった印象が強い。 都知事になり、ようやく政治家の仕事を難しさを肌身で知り、田中角栄の実績を見直ざるを得なかったのではないか。 世に角栄本は数多あり、そこには『コンピュータ付きブルドーザー』ぶりが溢れる。さながら『歴史は英雄が作る』を地で行くような礼賛の嵐で鼻じらんでしまう。 大学時代から政治家本に目を通してきた者からすると、ツッコミどころが多すぎのトンデモ本の匂いを放つが、〈政治家と文学者というデュアルレンズで見た田中角栄〉の生涯を描いたという点では、一線を画す角栄本であり、田中角栄という政治家を知る上において、184頁で総覧できる入門書としては好適かも…。
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