下級貴族たちの王朝時代 の商品レビュー
筆者が『新猿楽記』に登場する右衛門尉とその家族を、そのほとんどが五位の位階に達していないにもかかわらず下級貴族層とみなしている点に大きな違和感を覚えました。従五位下は中級貴族、正六位上は下級貴族というような認識のようです。位階がわからなくとも国司の介・掾・目や史生までもが下級貴族...
筆者が『新猿楽記』に登場する右衛門尉とその家族を、そのほとんどが五位の位階に達していないにもかかわらず下級貴族層とみなしている点に大きな違和感を覚えました。従五位下は中級貴族、正六位上は下級貴族というような認識のようです。位階がわからなくとも国司の介・掾・目や史生までもが下級貴族だといいます。無論、貴族といえば五位以上を指しますので、筆者が何を根拠にこのような認識をしているのか、疑問に思います。 それは置いておくとして、内容は『新猿楽記』に描かれたさまざまな職業の人々について、当時の現実の貴族社会とリンクさせながら解説しており、非常に興味深く読むことができました。
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