貧しい人を助ける理由 の商品レビュー
金持ち国が貧しい国を助ける理由として、倫理的なもの以外にも自己の利益のためにやらなければいけないのだと考えさせられた。
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難しい内容でした。色んなデータをもとにした論考で、専門的でした。 お金のある国が貧しい国を助けましょう。 貧しい国を助ける理由として、道徳的義務、道義的責任、共通利益、自己利益。 貧しい人を助けることは利他に見えて、実は長期的には自分に、そして自分の子どもや孫に跳ね返る。
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貧しい人を助ける理由は、1.倫理的・道徳的に正しいから 2.自分の為にもなるから、という主張である。 2の自分の為というのは、気象現象の悪化等のやや間接的なメリットにとどまる。 それはそれで間違いではないが、残念ながらこの主張だけでは、途上国等への支援は増加しないと思われる。支援...
貧しい人を助ける理由は、1.倫理的・道徳的に正しいから 2.自分の為にもなるから、という主張である。 2の自分の為というのは、気象現象の悪化等のやや間接的なメリットにとどまる。 それはそれで間違いではないが、残念ながらこの主張だけでは、途上国等への支援は増加しないと思われる。支援の増額、移民の受け入れ、いずれもポピュリストの攻撃により多数の賛同を得るのは困難になって来ている。 逆に、途上国を支援することにより、途上国で雇用を創出して、難民を減らす事が出来れば、金持国のメリットになる事を分からしめる事が必要なのではないか。貿易赤字をやり玉に挙げるトランプがこの事を理解してくれないと、ますます悪い方向に進んでしまう。
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貧しい国を先進国が助ける理由は綺麗なことばかりじゃない。歪みだらけの世界で色んな人が色んなことを言うけど、でもなんだかんだみんな世界をちょっとでもよくしたいと思ってる。どこまでをあなたにとっての「世界」と考えるのか。巻末の読書ガイドを読み切ったらすごい力がつきそう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
専門家は、多くの援助受け入れ国にとって重要なのは単に援助資金の額ではなく、彼らがアクセスできるさまざまな「開発のための資金」の総額である、と主張するようになっている。もしそうであるなら、援助にまつわる中心課題は、金額がどれだけ大きいかではなく、援助は効果を生み出しているのか、特に援助が受け取り国の経済、社会、政治の漸進的変化を促進しているかどうかにあることになる。(p.50) バングラデシュの貧困問題(人口がひしめき合うだけでなく、気候変動によって甚大な被害を被る可能性のある国土における深刻な貧困)は、海外出稼ぎ労働者の増加による一振りで、解決される。より多くの送金とより大きな経済成長が達成され、公的サービスが改善し、出稼ぎ労働者の流出によって環境負荷が削減する。バングラデシュは、現在3%の国民が外国に住んでいるが、もしこれが10%に増えたらならば、送金は400億米ドルにも相当する。さらに言えば、追加収入の波及効果を勘定に入れるなら、国家収入は840億米ドルくらいに増えると見込まれる(p.100) 不平等は経済成長を低下させ、その安定性を損なわせがちな傾向がある、と結論づけられる。これは、以下のような理由による。すなわち、不平等は、保健および教育分野の進歩を阻み、政治経済の不安定化を通じて投資活動を停滞させ、突然何かのショックが生じたときに対応するために必要とされる社会的なコンセンサスの形成を阻むのである。それは平和と永続的な成長を減退させる傾向にある。(pp.136-137) 1 貧しい国々が、雇用を生み出す成長と人間開発の向上のための自前戦略を作れるよう、貧しい国々にとっての政治的スペースが拡張されなければならない。 2 国際金融の大胆な改革によって、開発のための資金の流れを大幅に増加させ、同時に多国籍企業や途上国エリートによる貧しい国からの反道徳的あるいは違法な資金流出を劇的に減らさなければならない。 3 国際貿易交渉の当事者は、一連の非互恵的取り決めによって貧しい国々も公平な競争条件で競争できるようにするために、2000年のドーハ「開発ラウンド」の約束を果たすべき。 4 もし人類が安全で平等な未来を手に入れたいならば、気候変動についても考えなければならない。 5 今日の資本主義が加速化させている所得と富の不均衡の拡大という問題にも取り組まなければならない。(pp.146-148)
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