A4または麻原・オウムへの新たな視点 の商品レビュー
凶悪事件を引き起こした教団の元信者との対談本です。その内面からみた、教団の意義について著者により引き出されています。ごく一部の信者により、事件は引き起こされ教祖との関わりは明らかにされないまま幕引きされた論調であり、その一面を本書共著の元信者の方々が証言されています。現時点ではそ...
凶悪事件を引き起こした教団の元信者との対談本です。その内面からみた、教団の意義について著者により引き出されています。ごく一部の信者により、事件は引き起こされ教祖との関わりは明らかにされないまま幕引きされた論調であり、その一面を本書共著の元信者の方々が証言されています。現時点ではその内容の証明はできませんが、そのような一面を否定することもできないと感じました。事件の本質の一面を明らかにした良書です。
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2012・5『NHKスペシャル未解決事件file02 オウム真理教』で放映されたドラマパートのモデルとなった元信者2名と映像作家である著者の鼎談。視野を広げてくれた麻原さんの説法、ワークと修行の出家者の日常、神秘体験、求心力は解脱や悟りに到達すること。 冷静に分析して教訓を引き...
2012・5『NHKスペシャル未解決事件file02 オウム真理教』で放映されたドラマパートのモデルとなった元信者2名と映像作家である著者の鼎談。視野を広げてくれた麻原さんの説法、ワークと修行の出家者の日常、神秘体験、求心力は解脱や悟りに到達すること。 冷静に分析して教訓を引き出すべきなのに、絶対悪・異質なものとして思考停止となっている、確かにそうだ。
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オウム真理教は絶対的悪で、麻原の死刑も当然のこととして、今の日本に受け入れられています。 オウム真理教の犯罪は許されるべきものではなく、裁きを受けるのは当然ですが、その裁判は刑事訴訟法に則ったものとは思えない、と著者は書きます。 地下鉄サリン事件の動機も明らかになっておらず、死刑...
オウム真理教は絶対的悪で、麻原の死刑も当然のこととして、今の日本に受け入れられています。 オウム真理教の犯罪は許されるべきものではなく、裁きを受けるのは当然ですが、その裁判は刑事訴訟法に則ったものとは思えない、と著者は書きます。 地下鉄サリン事件の動機も明らかになっておらず、死刑が執行されてしまえば、一切は闇の中です。 あの事件は何故起きたのか、オウム真理教とは何だったのか、麻原とはどんな人間だったのか。 元オウム真理教の信者とのインタビューから、解き明かしていきます。
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地下鉄サリン事件から25年たち、麻原彰晃の死刑も執行された。 全ては終わったのだろうか。 事件の被害者はもちろんオウム真理教の信者達にとってもまだまだ色濃く残っているものが沢山ある。 オウム真理教に関するルポや信者の手記など何冊か読んだが正直多くを読むほどにわからなくなって...
地下鉄サリン事件から25年たち、麻原彰晃の死刑も執行された。 全ては終わったのだろうか。 事件の被害者はもちろんオウム真理教の信者達にとってもまだまだ色濃く残っているものが沢山ある。 オウム真理教に関するルポや信者の手記など何冊か読んだが正直多くを読むほどにわからなくなってくる。 結局、オウム真理教は何だったのだろうか。 麻原彰晃とは一体何だったのだろうか。 そして地下鉄サリン事件とは一体何だったのだろうか。 時が立てばどんな出来事も風化する。 おそらくこれから先、時が立つほどにこれらの事は謎が解明されるよりも当事者が少しずついなくなることで謎が深くなっていくだけなのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ー動機はもっと別のところ、そもそもオウムは徹底して宗教的価値観で動いていたのだから、そちらから見るのが自然ではないか ー「純粋な正義感」であっても、オウムという閉じた世界から出てしまったら「歪んだ正義感」にしかならない。 宗教的にみると、現実の世界では心身ともにボロボロの状態であっても、高次の次元では明確な意識を持っているのではないか。 井上の証言が真実であれ虚偽であれ、弟子の言動で麻原が死ぬ時期を悟って、少しずつ壊れていた「現実の自分」を守ることをやめ、半意識的に壊れていった。 信徒からすると、そういう見方もできるのかっていうことが面白かった。麻原ほどオウムの信者であり続けた人もいないのでしょう。 宗教的価値観を理解するって難しい。そりゃ戦争も起きるわな、って思ってしまう。 視覚障害を恨みながら、視覚障害者として扱われないこと。宗教的盲信が精神、肉体に及ぼす影響。事件のことは別として、松本智津夫という一人の人間を、誰も守ってあげられなかったことには悲しみすら感じる。 余談だけど、宗教的な場では、障害って結構関係ないよなというのがいいなと思う。例えば精神障害者というレッテルで集団に属すのではなく、一信徒として集団に属せること。精神障害者の方が信じやすいとかそういう部分はあるだろうけど。でも、精神障害者施設という肩書きより、人によってはずっと受け入れられやすいのかもしんない。それで、目が見えないとかいうことだって宗教的には有利だったりするわけで。セーフティーネットとしての宗教。救済とか考えたら、当たり前かって感じだけど、そういう部分もあるよね。っていう。
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著者と元信者二人の対談集。 2人の麻原に対する考え方には、正直驚いた。 洗脳とかではなく、純粋に敬意を抱いている。 裁判については、死刑判決については何も思わないが、 宗教団体の犯罪でもかかわらず教義的な検討が、かなり雑であったという指摘には深く納得する。
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森達也の頑迷さが印象に残るがこういう人でないと深い取材は難しいだろうと思う。元信者を前にすると森が普段抵抗している一般社会側に立たざるを得ないのが皮肉で面白い。 元信者の話は知的かつ明瞭で、森の方が混乱しているように見えた。
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信じるものを持つということがこんなにも強い気持ちであるとは。宗教というものの持つ力を見せつけられた。 麻原からはじまった事件を、インチキ教祖がエリートたちを洗脳し、自分の欲のためにテロを起こさせたという風にまとめてしまうことができればすっきりするのだろうか。そして、その張本人を死...
信じるものを持つということがこんなにも強い気持ちであるとは。宗教というものの持つ力を見せつけられた。 麻原からはじまった事件を、インチキ教祖がエリートたちを洗脳し、自分の欲のためにテロを起こさせたという風にまとめてしまうことができればすっきりするのだろうか。そして、その張本人を死刑にすれば一件落着となるのだろうか。
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地下鉄サリンほか一連の事件で、狂信的集団とされたオウム真理教。自分自身も報道を通じて、無条件にそう思い込んでいることに気づく。 魂の救済から始まったはずの集団は、いつの間にか殺人教団へと暴走した。 その首謀者とされる麻原は途中から法廷での受け答えもままならず、未だ事件の動機...
地下鉄サリンほか一連の事件で、狂信的集団とされたオウム真理教。自分自身も報道を通じて、無条件にそう思い込んでいることに気づく。 魂の救済から始まったはずの集団は、いつの間にか殺人教団へと暴走した。 その首謀者とされる麻原は途中から法廷での受け答えもままならず、未だ事件の動機も明かされていないらしい。 これまで、教団内部からのドキュメンタリーを映画化してきた著者。 麻原直近の元幹部とのインタビューを通じて、初期時代から事件前後までそんな教祖への補助線を引き、その真意へ接近を試みてゆく。
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