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すべてはおいしさのために の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2018/09/22

「本場フランスで修行した」昭和世代から、生の言葉が聞けるのは今しかないのかもしれません。 言葉もわからず、働き先もないままフランスへ行って菓子職人になってしまう時代を生きた職人の生き証言です。 わざわざ同じ境遇でフランスにいながら、日本人同士でいじめをする醜さは、この本に...

「本場フランスで修行した」昭和世代から、生の言葉が聞けるのは今しかないのかもしれません。 言葉もわからず、働き先もないままフランスへ行って菓子職人になってしまう時代を生きた職人の生き証言です。 わざわざ同じ境遇でフランスにいながら、日本人同士でいじめをする醜さは、この本にも出てきます。岡本太郎さんの本にも出てきます。きっと、昭和の「留学組」の人々は、みな同じような体験をしてきたのでしょう。 でも、いじめる側になったひとたちの言葉は、本から読み取る機会がありません。ひょっとすると、大成しないひとたちばかりだったのかも、しれません。 さもありなん、という感じもします。 自分の力で、自分のつくりたい菓子を作る。 修行したあと、河田さんが貫いてきたのはその姿勢です。誰にも、何もいわせない。自分で責任をとって、自分の好きなものを作る。 個性を尊重する、というレベルではない強さが、言葉の端々から感じられます。 今や人格まで揺さぶるような言葉を使うと、パワハラと指弾される世の中です。そのうち、河田さんも、誰かから訴えられないのか心配になります。 生半可では、自分の生き方は見つからないし、貫けもしない、それは事実だと思います。 何ももっていないところから学び、自分の力で菓子を世に出し、店をもって、自分の道を歩き続ける力。 いろんな意味で頭が下がる、そのひとことです。

Posted byブクログ

2020/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルと表紙に惹かれて読んだ。写真のカヌレは、美味しさを予感させる。大きさの割に高いイメージだったが、著者は4日かけて仕上げるというから驚く。伝統菓子を守り、おいしく作る強い意志、熱意が伝わってきた。サービスはいいが肝心の味はいまいちなお店もあるので、お客様ファーストではない職人気質のお店もあっていいし、どんと構えていただきたい。私は行きたい。 パティシエの哲学書と紹介されているが、食にかかわる、人に何かを与える立場の人すべてに読んでほしい一冊。

Posted byブクログ

2018/02/04

初めて食エッセイを読んだ。 スイーツが大好き、という至極単純な理由でタイトルに惹かれて購入したのだが、思った以上に良かった。いや、かなり良かった。 パティシエとしての苦労なども描かれているが、オーナーとしての心構えであったり、自分が一番上という立場で人を指導する姿勢など、スイーツ...

初めて食エッセイを読んだ。 スイーツが大好き、という至極単純な理由でタイトルに惹かれて購入したのだが、思った以上に良かった。いや、かなり良かった。 パティシエとしての苦労なども描かれているが、オーナーとしての心構えであったり、自分が一番上という立場で人を指導する姿勢など、スイーツとはなんら関係ない人でも勉強になることがふんだんに散りばめられた本だった。 個人的なことだが、親しい人がビジネスを始めようとしており、この本で私が学んだことを少し共有したりもした。 自分も仕事をしていく上での姿勢、そもそも生きていく上での姿勢など、勉強になることが本当に多く、これから先の人生で大切にしたいことをたくさん吸収できた書籍だった。

Posted byブクログ