授業で使える！論理的思考力・表現力を育てる三角ロジック の商品レビュー

鶴田清司(著者)

2020/04/23

この三角ロジックの重要性は理解できるし，有効性についても異論はない。

がしかし，なぜか釈然としないのは，この本自体が，三角ロジックによって納得のいく理由づけがなされていないからだろう。

以下，私なりの三角ロジックを用いて述べると，

まず，102ページしかないのに1800円という値段（根拠）は，高過ぎるためそれ相応の情報の質の高さが求められるにもかかわらず，理論編が薄く事例も説得力に欠けている（理由）こと。

次に，トゥルミンモデルを理論の仮説として説明しているが（根拠），なぜ単純化しているのか，なぜ小中学校段階では三角ロジックで十分という論理になるか（理由），明確に示していないこと。

さらに，国語科として事例で取り上げた「大造じいさんとガン」「お手紙」の学習課題に対する子どもの意見が（根拠），三角ロジック以前に教師の教材研究不足である（大造じいさんの捉えについて・主人公という学習用語について）こと（理由）から，説得力に欠けること。

さらにさらに，とまだまだ列挙できるが，この批判的な理由を書き連ねる中で，三角ロジックを使わせることを筆者がねらっていたのだとしたら…と類推することで筆を置く。

2020/03/16

上司に勧められて読みました。授業では「根拠を明確にしなさい」という言い方をよくしていたけど、本書を参考にしてもう少し具体的な指示ができるように工夫しようと思います。
根拠を明確にした上で、理由も述べないといけない、ということですね。例題もいくつか載っていたので、早速使ってみようと思いますが、中学校の授業ではその例題に出てくる用語を教えている、という段階にとどまっているのが現状です。
用語を使うトレーニングを重ねていかないと、今課題とされている思考力・表現力の向上にはつながらないことを日々痛感しています。