没落ピアノ先生。 レッスンするのは大変です の商品レビュー
ピアノの先生も、少子化で昨今大変らしい。 前々からそんな話も聞こえてきた。 そういう意味では、ピアノ講師のお仕事小説があってもいいのに、意外と今までなかったな、と思い、本書を手に取る。 天才ピアニストとして期待されていた阿刀敬。 ドイツ留学中、実業家だった父が急逝し、借金があっ...
ピアノの先生も、少子化で昨今大変らしい。 前々からそんな話も聞こえてきた。 そういう意味では、ピアノ講師のお仕事小説があってもいいのに、意外と今までなかったな、と思い、本書を手に取る。 天才ピアニストとして期待されていた阿刀敬。 ドイツ留学中、実業家だった父が急逝し、借金があったことが判明。 相次いでドイツで師事していた先生も亡くなり、コンサートピアニストとしてデビュー直前に、諦めることに。 ぼろ家を買い取って、唯一手放さなかったベーゼンドルファーのグランドピアノを置き、ピアノ教室を始める。 そもそも、生徒が集まらない。 やっとレッスン生となった子どもたちは、みんな一癖あって…というお話。 第一話の練習してくれない生徒のためにアニソンを使うというあたりは、なんとなく『のだめ』が最初についた先生の話を思い出させる。 けれども、そこからは独自の展開。 床が抜けそうな古屋に、補修もせずグランドピアノを置いて大丈夫なのか?とか、突っ込みもいれたくなるが、作者のクラシック愛、ピアノ愛は随所から伝わってくる。 でも、楽しく読める一冊。 続編は書かれるのだろうか?
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