1,800円以上の注文で送料無料

トマス・アクィナス の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/01

神学大全は全く馴染みがなかったが、アリストテレスの考え方を取り入れて新しい解釈をしているのが面白かった。 味わい深くもう一度読みたい。

Posted byブクログ

2024/05/26

前半まではとても興味深いものだった。今まで、アリストテレスの書を引用してキリスト教の世界観に置き換えた権威主義的な人物をイメージをしていたが、その実当時の誰よりも誠実に理解しようとしていた探究者であったことを知れた。 中途からは自身の不学のため、言っている内容が全くわからなかった...

前半まではとても興味深いものだった。今まで、アリストテレスの書を引用してキリスト教の世界観に置き換えた権威主義的な人物をイメージをしていたが、その実当時の誰よりも誠実に理解しようとしていた探究者であったことを知れた。 中途からは自身の不学のため、言っている内容が全くわからなかった。著者の意図が読み取れず、想像の余地すら働かなくなったため、面白さを感じず辞めた。 思うに、その先はアリストテレス、およびその著作である神学大全についての基礎的な知識が不足しているのだろう。また、いずれその時が来たら読み返すかも知れない。

Posted byブクログ

2022/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

トマスの思想を本人の著作を引用しながら解説したもの。難解なように見えて、絶妙に分かりやすい解説だった。各個人が枢要徳を身につける。そして神は受肉によって人性を回復することで人間が神徳を身につけるチャンスを与える。神徳を身につけた個人は他者の善を祈る。このようにして、お互いがお互いの善・幸福を祈り合う世界こそトマスが理解したキリスト教像なのだろう。

Posted byブクログ

2019/07/12

本屋でタイトルに惹かれて衝動買い。キリスト教嫌いが多いこの国では珍しい「神学者トマス・アクイナス」の入門書である。一般には無視されがちな「神」や「天使」の問題にも正面から扱っているところに好感が持てる。個人的には特に第三章の「徳論」は大いに知的刺激を受けた。近代のカトリック思想に...

本屋でタイトルに惹かれて衝動買い。キリスト教嫌いが多いこの国では珍しい「神学者トマス・アクイナス」の入門書である。一般には無視されがちな「神」や「天使」の問題にも正面から扱っているところに好感が持てる。個人的には特に第三章の「徳論」は大いに知的刺激を受けた。近代のカトリック思想に大きな影響を与えた神学者であるだけに、”カトリック入門”としても読める一冊だと思う。

Posted byブクログ

2019/05/27

岩波新書で読んだ『ルター』と『アウグスティヌス』がよかったので、これも間違いないだろうと思って買ったらやはり間違いなかった。 理性、感情、意志よりも知性を重んじる、アクィナスの考える信仰する態度の考えがとてもわかりやすく書かれている。そして「信仰」とは?「信じる」とはどういうこ...

岩波新書で読んだ『ルター』と『アウグスティヌス』がよかったので、これも間違いないだろうと思って買ったらやはり間違いなかった。 理性、感情、意志よりも知性を重んじる、アクィナスの考える信仰する態度の考えがとてもわかりやすく書かれている。そして「信仰」とは?「信じる」とはどういうことか?「希望」とはなにか? という神と自分自身の存在の仕方へのアクィナスの考えもわかりやすい。 また、力、愛、自己肯定という日常的な感情や思考についての記述が多く、現代の例えも多くとにかく読みやすかった。 ざっと読んでしまったので、そのうちにもうすこし時間をかけて再読したい。 https://twitter.com/prigt23/status/1132951624492564480

Posted byブクログ

2019/02/20

四ツ谷のドンボスコだったか、書棚の上段の方にズラッと並べられた「神学大全」から発せられたまばゆい光彩は、幼少のころ図書館で分厚い聖書に心を奪われた経験を想起させた。 その著者がトマスアクィナスである事はいつの間にか知っていたが、手に取るには明らかに力量不足を自覚しており、しば...

四ツ谷のドンボスコだったか、書棚の上段の方にズラッと並べられた「神学大全」から発せられたまばゆい光彩は、幼少のころ図書館で分厚い聖書に心を奪われた経験を想起させた。 その著者がトマスアクィナスである事はいつの間にか知っていたが、手に取るには明らかに力量不足を自覚しており、しばらくは書棚を眺めて憧れるにとどまった。 それから数年が流れ、ある日YouTubeで神学大全全巻邦訳完了した出版記念の映像を発見。 「学問と出版 トマスアクィナス 『神学大全』全訳の歩み」 稲垣良典先生の朴訥で、穏やかな中に芯の強さをにじませるお人柄に惚れ込み、このエンゼル財団の動画は繰り返し視聴させていただいた。 その動画のひとつ、神学大全 全巻邦訳完成記念フォーラムの 「ダイアローグ みんなのためのトマスアクィナス 」の中に今回の「トマスアクィナス」の著者、山本芳久氏が質問者として登場する。 山本氏を知ったのはここが初めてであったが、その後雑誌 Nyx(ニュクス)で稲垣良典氏との対談を読み、信頼を深めたところに本著書の発売である。 本作の序にて、 「可能な限りの分かりやすさを心がけて執筆されている。 だが、分かりやすくするために、トマスのテクストに登場する分かりにくい概念や馴染みにくい要素を切り捨てるようなやり方は採用しない」 よって、天使も天国も登場するのだと氏は続けて書いている。 私はそこに真骨頂があるのだと思ったのだ。 新書はとかく軽く読める、あくまでもザックリとかかれた、本編における案内書程度の位置付けだと認識されがちだが、この本はしっかりと歯ごたえがある。 その歯ごたえが心地よい。 難解なモノは難解なまま、読者は分からなければ何度でも読み返して考えたら良い。 ほかの本など読んだ後、また手を取り読み直し、または神学大全そのものに挑戦してみたり。 私は山田晶氏 責任編集の世界の名著20「トマスアクィナス 」や稲垣良典先生の「トマスアクィナス 」も読みつつ、時間をかけ、合間、若松英輔氏との共著である「キリスト教講義」を読んだり、出版記念イベントで直接お二方のお話を聴かせていただいたりしながらじっくり読ませていただいた。 それだけ時間をかけてじっくりと取り組んで読むだけの価値のある一冊である。

Posted byブクログ

2018/02/23

アリストテレスとアウグスティヌスを結び付けたと理解されているスコラ哲学の大家トマス。やはり難しい本だった。経験と理性に基づき、「神の啓示」を認めないキリスト教の世界観と両立しないように思われるアリストテレスの哲学(倫理学)に洗礼を受けさせたようなものとの著者の説明が適切な譬えのよ...

アリストテレスとアウグスティヌスを結び付けたと理解されているスコラ哲学の大家トマス。やはり難しい本だった。経験と理性に基づき、「神の啓示」を認めないキリスト教の世界観と両立しないように思われるアリストテレスの哲学(倫理学)に洗礼を受けさせたようなものとの著者の説明が適切な譬えのようで、面白い。しかし、「神が降ってきて人間との積極的な交流を求めている」との考えはトマスという人が思っていたよりはプロテスタンティズムとは遠い存在でないことは解ったように思う。しかし理性と信仰を対立的に捉えるのではなく、絶妙な仕方で統合されているとのこと。理性で神を認識できるのか!とのテーマは重要な論点だと思うので、安易に賛成できないとの警戒心で最後まで読んだ。「希望のない、信仰のないキリスト自身」との表現はドキッとさせられるが、完全な存在であるキリストには不完全な在り方は必要がないからとの説明を見て、理解した。いずれにしても論理先行の考えの人のようだ。

Posted byブクログ

2018/01/28

トマスという人物は中世キリスト教の支配する思想の中でアリストテレスの合理性を結合させた開明的な人物という印象に改められた(というか歴史に一行以上には知らなかった)。また、凄まじい大著である神学大全ですらトマスの全著書の7分の1であるに過ぎず、アリストテレスや旧新約聖書への注釈、様...

トマスという人物は中世キリスト教の支配する思想の中でアリストテレスの合理性を結合させた開明的な人物という印象に改められた(というか歴史に一行以上には知らなかった)。また、凄まじい大著である神学大全ですらトマスの全著書の7分の1であるに過ぎず、アリストテレスや旧新約聖書への注釈、様々な同時代人との対論を残しており、40代で亡くなったことを考えると歴史的な知の巨人であったことがわかる。が、現代から彼の思想を見る意義は、著者がいろいろとこの新書の中で述べているが、アリストテレスの合理性とキリスト教の神秘性を合わせただけでなく、昇華させたところに意義はあるように見えるが、それ以上のところは私には理解できなかっただけかもしれない。

Posted byブクログ