痛い在宅医 の商品レビュー
言いたいことや理想は分かる‥ただ、現場は…? その道の第一人者に否定されたら、折角同じ道を選んだ医師が潰れてしまうのでは‥? 現場の医師が激しく批判されている内容が多いので、何だか悲しい気持ちになった。 最初からプロの人なんていないのにな…
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ここで取上げられている医師も事業所も、それを揶揄する長尾医師本人もだいぶやばい。 コロナ禍でやばくなる前と思って読み始めたがすでにだいぶやばい。 在宅医としてこれはほんとひどい。 そういうのを知る意味で良かったとする。
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父が突然、「俺は溺れ死にたくないからな!痛くない、苦しくない死に方がしたいからな!!」と謎のリビングウィルをしてきて、何かと思ったら片手にこの本を握り締めていた。 長尾和宏先生、今まで存じ上げなかったが、著者プロフィールを見ると沢山の肩書きも著書もお持ちのすごそうな先生である。...
父が突然、「俺は溺れ死にたくないからな!痛くない、苦しくない死に方がしたいからな!!」と謎のリビングウィルをしてきて、何かと思ったら片手にこの本を握り締めていた。 長尾和宏先生、今まで存じ上げなかったが、著者プロフィールを見ると沢山の肩書きも著書もお持ちのすごそうな先生である。『病気の9割は歩くだけで治る!』という本も書いてるらしい、、、なんだかその先を読む気が失せてきたが、頑張って本文も読んでみた。 読んでみるとかなり面白かった。まず構造が興味深い。長尾先生は今まで様々な著書で在宅医療(自分の家で死を迎えること)の素晴らしさを語ってきたらしい。この本は、それを盲信していた読者が自分の親に実践したらとんでもなく酷い目にあって、腹いせ?に長尾先生に怒鳴り込んでくる経過を描いたドキュメンタリーである。 担当医でもなんでもなかった長尾先生に怒鳴り込みにいく患者家族、ちょっとあれ??と思ったがそこはまぁ置いておいて、在宅で死を迎える人の姿がどんなものか知らなかった私としては、患者が死に至るまでを詳細に記録した家族の手記は本当に生々しく衝撃的なものであった。 死の直前に苦しい、、苦しい、、と呻き、動く力ももう無いはずなのに最後の力を振り絞ってもがき苦しみ、そしてこと切れる。 それを何も出来ず傍で見つめるだけの家族は、本当に気が狂いそうな気持ちになるだろう。自分が殺したと思ってしまうのも無理はない。 薬の投与などの治療行為を家族が行うことは、死の受容を難しくする要因の1つなのではないかと感じた。医者がやれば、医療行為のプロの手を尽くしても助からなかったんだなと、一応の納得は出来るし、なんなら医者を責めることが出来る。 死に対する医者の役割を再認識すると共に、在宅医療が今後発展していくのは非常に難しそうだなと感じた。私が死ぬ時も、こんな苦しい思いを家族にさせたくないのでぜひ病棟で死にたいなと、この本を読んで強く思った。 在宅医療のメリットを語った本も読んでみたい。 あと、良い医療は良いコミュニケーションから生まれるのだなとつくづく感じました。
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在宅でうまくいかないと感じた事例と、その解説。すばらしい実在感。 在宅で看取ることで、看取る側は猛烈に責任感を感じる。うまくいかないことはどうやってもあるとは、言えない。 それでも在宅を勧めるためにこれが書かれることの強さを思う。
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自分自身、痛くなりながら読みました。 長尾先生、この本を書いて出すのに、とても勇気がいったのだろうなぁ。
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い 痛い。 今視野にあるすべての患者の先にあり得るシナリオがここに。 自分の見えてるのは一部分で、やはり度重なる対話が必要なのだと改めて思う。
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在宅看取りの現実が赤裸々に書かれている。病院で死ぬのがいいか?自宅で死ぬのがいいか?どちらにしろ家族も本人も覚悟が必要ということがよく分かる。同じ在宅医として、どこまで患者とその家族を支えられるか改めて考えさせられます。
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長年地域の在宅医療に従事されてきた長尾先生が、とあるご遺族が持ち込まれた、末期肺癌+慢性閉塞性肺疾患のご家族に緊急在宅導入をしてうまくいかなかった事例の感情の吐露と医療機関とのやりとりを詳細に記されています。 読んでいて、現在の日本の在宅医療の課題、、、 ・入院中の主治医による予後告知のありかた ・急性期病院が在宅医療を実感できているか、また在宅医療施設ごとの細かい能力の吟味ができるか ・(緊急)在宅導入における退院前カンファの重要性 ・在宅初回訪問時の家族へのセルフケア説明、予後説明 ・癌だけでない併存疾患による重篤化の鑑別と対応 ・緊急往診を”いま”するかの判断基準 ・つらい本人・家族への心情の共感的態度の表し方 などが浮き彫りとなり、私も在宅医としてやってきて経験してきた”痛み”を思い出しながら読み終えました。 著者は”もはや美談だけで在宅医療を語る時代ではないと考える”と問うており、強く私も賛同します。 在宅医療の社会的ニーズが増えるにつけ、質の標準化と利用適応が厳しく問われる時代になっているのだと。 本書は在宅医療機関にとっても、私達が”だれの、どんな痛みを”ケアしなければいけないのか、プロとしての根源を問う教材として活用できると感じました。 なお苦しまれているであろうご家族様と、亡くなられた患者様ご自身、そして自らも提供されている医療の課題を覚悟のうえで発表された著者の長尾先生に深い敬意を表します。この痛みを刻んで、真摯に在宅の診療と後進教育に当たりたいと思います。ありがとうございました。
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