頼子のために 新装版 の商品レビュー
「家族の歪んだ愛」みたいな帯をみて購入したものの、さすがにこれは歪み過ぎて気持ち悪い。しかも「歪んだ愛」が安易に想像できる上に、現実味もないからチープさを感じてしまった。古い本のようだから当時は衝撃がすごかったのかなあ…
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確かに意表を突いた展開、というかどんでん返しではあろうが、話が長い。後書きを読んで納得したが、元々が中編で会った小説を加筆したらしい。前半の”遺書”から真実を導いていくという過程は面白いのだが、とにかく文章が無駄が多いし、キャラも魅力が無いだけでなく、不要な設定・登場人物が多い。...
確かに意表を突いた展開、というかどんでん返しではあろうが、話が長い。後書きを読んで納得したが、元々が中編で会った小説を加筆したらしい。前半の”遺書”から真実を導いていくという過程は面白いのだが、とにかく文章が無駄が多いし、キャラも魅力が無いだけでなく、不要な設定・登場人物が多い。何より文章がまだるっこしくて退屈だった。 これは中編のままの方が面白かったのでは?
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2年前に読んでめっちゃ面白かったこの作品の新装版を改めて。 最初に読んだ時にはまさか!という驚きの印象が強かったけど、オチが分かっていてもなお面白くて引き込まれてしまうこの作品は、やっぱり法月綸太郎作品のなかでもやっぱりいちばん好き。
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読んでみたかったミステリーのひとつ。目を見張るようなトリックがある、というよりは、冒頭の手記とタイトルから感じた印象が、真相がわかるにつれがらりと変わってしまうのが見事な作品。地の文が読みやすく自然なので、胸の悪くなるような真相までするすると読んでしまう。
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「新装版 頼子のために」 果たして手記は正しいか。 到叙とは、ミステリで最初に犯人が明かされ、主に犯人の視点で物語が展開されていくタイプのもの。通常の到叙では、最初に犯人や犯行が明かされながら、もう一方の視点(探偵や警察)も描かれ、ミステリか深掘りされていく。古畑任三郎の様...
「新装版 頼子のために」 果たして手記は正しいか。 到叙とは、ミステリで最初に犯人が明かされ、主に犯人の視点で物語が展開されていくタイプのもの。通常の到叙では、最初に犯人や犯行が明かされながら、もう一方の視点(探偵や警察)も描かれ、ミステリか深掘りされていく。古畑任三郎の様に犯人を徐々に追い詰めて行ったり、対峙する程に緊張感が増していくと思う。 だが、本書はちょっと違っている。愛する娘である頼子を失った父が、その娘を殺した犯人に復讐したことを手記にて告白する形式を取っている。到叙ものでは、犯人の視点で描かれる内容は正として進める場合が多いので手記を正にしていくと思いきや、「頼子のために」はそうでは無かった。 探偵役の法月綸太郎は、まず父の書いた手記を何度も読み返し、気になる点をあぶり出しながら事件の真実を確認しようとするのだ。法月綸太郎のこの行為により、父の周りの関係者もぽつぽつと気になることを述べていく。 そして、手記通りの真実であったかどうか明らかになるが、それだけでは終わらなかった。結局、上手く騙されたなぁ〜と。手記にもちゃんと伏線や矛盾を感じれる様な記載があるだけに。 ポイントは愛。頼子を失ったことから行き場の無い愛だけかと思ったら、別の愛も絡んでいて、で、それだけかと思いきや、実はもう一つ愛を上手く利用していた。 父、娘、母それぞれが持つ愛は正しい方向に行くとは限らないなと。騙された感もあるが、愛って怖いなとも思わされる。到叙ものとしておススメの一つになった。これを若い時に頭で作っちゃうんだものね。凄い。
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読み終わってみてちりばめられた伏線と技巧的な作風に舌を巻いた。冒頭とラストの印象があまりにも違いすぎて呆然としてしまったが、印象が変わる前の方が自分の好みであったために個人的ながら残念。しかしそういう風に感じるということはラストの印象を受け入れてしまったがための感情であり、この小...
読み終わってみてちりばめられた伏線と技巧的な作風に舌を巻いた。冒頭とラストの印象があまりにも違いすぎて呆然としてしまったが、印象が変わる前の方が自分の好みであったために個人的ながら残念。しかしそういう風に感じるということはラストの印象を受け入れてしまったがための感情であり、この小説の技巧を否定するものではなく、むしろ楽しめたのではなかろうか。
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頼子を殺した犯人には驚いた。 しかし、今回の名探偵である法月綸太郎が選んだ結末がどうしても納得できず。 頼子にも、海絵にも、もちろんその他の登場人物にも感情移入できず…なんだか消化不良でした。 手記の部分が面白かっただけに残念。 海絵は結局すべてを知っていたってことでいい...
頼子を殺した犯人には驚いた。 しかし、今回の名探偵である法月綸太郎が選んだ結末がどうしても納得できず。 頼子にも、海絵にも、もちろんその他の登場人物にも感情移入できず…なんだか消化不良でした。 手記の部分が面白かっただけに残念。 海絵は結局すべてを知っていたってことでいいのかな。
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一見幸せそうに見える家族も実は・・的なドロドロ劇です。 もちろん、交通事故で子供を亡くし、奥さんが下半身不随になった家族という状況が重なればなおさらです。 その事故の責任は誰にあるのか、娘の妊娠の相手は、真実を知っていたのは・・というそれぞれの問いの答えで真相が変わって見える...
一見幸せそうに見える家族も実は・・的なドロドロ劇です。 もちろん、交通事故で子供を亡くし、奥さんが下半身不随になった家族という状況が重なればなおさらです。 その事故の責任は誰にあるのか、娘の妊娠の相手は、真実を知っていたのは・・というそれぞれの問いの答えで真相が変わって見えるという手法を使った意欲作です。 ただ、それが成功しているかと言えば、疑問ですが。 文章が上手いので、最後まで読ませます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
トリックは二の次、心情描写や人間を描くことに重視を置いた昨今のミステリーは置いといて、そろそろ本格ミステリーを読んでみたいと思い、「衝撃のどんでん返し」「著者の記念碑的作品」という言葉につられ読んだ本作。 久々の本格ミステリーに心躍るが、「法月綸太郎」という作者と同じ名前の素人探偵がいまひとつキャラが弱く、主人公にも魅力を感じず、結局、登場人物の誰一人として好きになれないままに終わった感じ。 肝腎の真相も、どんでん返しとうたうほどの意外感もなく、予想された範囲。なんとも残念な感じだった。 ただ、名探偵が真相を解き明かす小説の面白さは、ひとえに名探偵のキャラによるところが大きいので、探偵「法月綸太郎」シリーズはも読まないかな・・・
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2018年22冊目。再読したいと思っていたところに新装版が出たのでついつい購入。冒頭の手記から、綸太郎の調査を経てのあの真相の衝撃たるや。歪んだ愛と憎悪が織り成す最上級の悲劇に取り込まれてしまいます。
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