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実録・国際プロレス の商品レビュー

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2023/07/18
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今や「プロレス史研究家のバイブル」とも言える 雑誌・Gスピリッツ。その人気連載「実録・国際プロレス」 を一冊にまとめたもの。基本、創刊号からGスピリッツを 愛読している僕であり、バックナンバーも(珍しく)全て 所持している。つまり、本当は必要の無い書籍なのだけど・・・。 すっげぇ束。 ちょっとした国語辞典を凌ぎ、さながら広辞苑のごとき厚 さ。考えてみればGスピリッツの創刊は2007年、連載は ほぼ同時に始まった筈だから、物量は確かにこのくらいは 間違い無い。さらに言うのなら、いくつか掲載されていな いインタビューもある筈。にも関わらず、ということ。 昭和からのプロレスファンにとって、国際プロレスは忘れ 得ぬ存在。新日本・全日本をメジャーとするのなら、国際 は間違い無くマイナーであったのだが、であるが故のワク ワク感は凄かった。来日する外人のニックネームは「放浪 の殺し屋」(ジプシー・ジョー)、「気狂い犬」(マッド ドッグ・バジョン)、「流血大王」(トーア・カマタ)な ど、ちびっ子ファンを震え上がらせるものばかり。これを 迎え撃つのが我らのラッシャー木村であり、アニマル浜口、 マイティ井上。猪木や鶴田に比べれば華が無く、派手さに は欠けるが、その泥臭い男らしさが我々を魅了。グレート 草津のような、若干思い入れを持ちづらい(^^;)選手も居 たが、国際の所属選手は全員が「哀愁」を漂わせており、 そこになんとも言えない愛着を感じていた。 そんな哀愁の第三団体・国際プロレスの元所属選手や団体 関係者、雑誌・新聞記者やカメラマンまで、23名に渡る 人物に深く切り込んだ、とにかく濃いインタビュー集。 内容が内容な上に、価格もかなりのモノなので、プロレス 史に興味のある人にしか勧められない本だが、我々のよう な輩にはある意味で「聖典」。国際の歴史は、昭和プロレ スの歴史そのものだと思う。 ・・・ただ一つ。 残念なのは、大エースであり後期国際の象徴であった 「金網の鬼」、最後のIWA王者だったラッシャー木村の 「声」が聞けなかったこと。それがあったら完璧だった なぁ、この本・・・。

Posted byブクログ