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草原に黄色い花を見つける の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2025/10/24

家で一人で引きこもって本を渉猟しているだけでは、どうしても探す範囲が狭くなる。自分の知っている領域でしか本を探せないというのはもどかしいものだ。ブクログでは、たくさんの人々が全方向に向けて様々な本を紹介してくれている。本当にありがたい限りである。 ブクログをやっていなかったら『...

家で一人で引きこもって本を渉猟しているだけでは、どうしても探す範囲が狭くなる。自分の知っている領域でしか本を探せないというのはもどかしいものだ。ブクログでは、たくさんの人々が全方向に向けて様々な本を紹介してくれている。本当にありがたい限りである。 ブクログをやっていなかったら『草原に黄色い花を見つける』という名作には絶対に巡り会えなかっただろう。なにせ著者の日本語翻訳作品がほとんどないし、日本語wikiに記事もないので、私のように普段からアンテナを張っていない人間には到底出会える見込みのない本であった。 ベトナムで他に追随を許さないベストセラー作家との触れ込みであるグエン・ニャット・アイン、それだけ売れているということは話もわかりやすくプロットも簡潔で大衆ウケを狙った様な作品なんだろなぁと先入観をもって読んでみたが、これがなかなかどうして奥深い。子供達の繊細で複雑な心理を丁寧に描き出しているだけでなく、日本の説話物語のような不思議な光景を、あたかもそれが自然であるかのように書き表すことに成功している。それも、難しい言葉をまったく使わずに、だ。著者の住む社会の複雑さが完璧に高い状態で表現されているが故に、貧困を原因とした家庭内暴力や少年故の残酷さが生々しく叙述されているが、その筆の進みに陰鬱さはない。登場人物達はこの辛く過酷な社会を跳ね飛ばすかの様に、明るく力強く生きているのだ。 本作における主人公の人格設定も特筆に値する。物語を牽引するティユウは、決して魅力的な人物ではない。出来のいい弟に嫉妬して暴力的な行為に及ぶこともあるし、女の子や自分が見下している人物にちょっかいを出してしまうこともある。喧嘩も弱く、弟がいなければ何もできないし、秘密を守り通すほどの精神的強さも持ち合わせていない。勉強ができて、優等生を演じていて、程良い優しさを持ち合わせている。いってしまえば多感な時期を過ごす普通な子供なのだ。明らかに英雄ではない。だからこそ彼を支える英雄達が引き立つのである。読み手は弱い主人公に自己を同化し、彼の目線から周囲の英雄達や悪人達を眺めていく物語の構成となっているため、作品全体に強烈な臨場感が生まれるのである。 もっとも、現代の価値観に照らし合わせれば不快感を催す様な場面が散見される。昭和的な価値観といえばよいだろうか。この作品を楽しめる程に自分はおっさんなんだなぁとしみじみ思った。 訳者があとがきで述べているように、ティユウと弟の関係は旧約聖書におけるカインとアベルのようで、それを元にしたスタインベック『エデンの東』におけるキャルとアーロンのようだ。聖書を下敷きに置いたストーリー故に世界で幅広く読まれているのかもしれない。 著者の他作品も気になるところだが、いかんせん日本語訳が少ない。かといってベトナム語を勉強する時間もない...。もっと日本語訳が出版されることを切に望む。

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2025/09/30

ベトナム旅行前に、その土地の文化や土地、歴史について知りたいと思い、ベトナムで他の追随を許さないベストセラー作家が書いた本書を手に取ってみた。 貧しい農村をで暮らす2人の兄弟を軸に、周りの人間関係に焦点を当てた物語。エピソードに共感できるところや、心揺さぶられるところがあまりなく...

ベトナム旅行前に、その土地の文化や土地、歴史について知りたいと思い、ベトナムで他の追随を許さないベストセラー作家が書いた本書を手に取ってみた。 貧しい農村をで暮らす2人の兄弟を軸に、周りの人間関係に焦点を当てた物語。エピソードに共感できるところや、心揺さぶられるところがあまりなく、ストーリーの構成に少々物足りなさを感じた。 しかしベトナムで暮らす子供たちの遊びや慣習を垣間見れた気がする。しかし虐待と思える行為をしてしまう大人がたくさん登場するため、どの程度リアリティがあるのか正直なところ見定めが難しいし、そこはリアルでないと思いたい。

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2024/03/28

グエン・ニヤット・アイン ベトナムの人気作家さん。 1980年代のベトナムは戦争が終わり経済はまだまだこれからな頃かな。 少年たちの力強い遊び、少女への淡い恋心、暮らしぶり、おとぎ話やホラー などがあり、面白かった。 映画化され、アマゾンプライムビデオにあったから見てみよう

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2022/11/22

3年前ベトナム行の飛行機の中でこの映画をやっていた。映画は見なかったが原作を読みたくてやっと手に入れたのにこちらは少々がっかりだった。著者は他の追随を許さないほどのベストセラー作家だそうであらゆる年代に広く読まれているらしい。この作品もYA世代あたりがターゲットなのだろうが、全く...

3年前ベトナム行の飛行機の中でこの映画をやっていた。映画は見なかったが原作を読みたくてやっと手に入れたのにこちらは少々がっかりだった。著者は他の追随を許さないほどのベストセラー作家だそうであらゆる年代に広く読まれているらしい。この作品もYA世代あたりがターゲットなのだろうが、全く共感できる部分もないし懐かしさも感じなかった。何よりいやなのが暴力の垣根があまりに低いことで、親が子に、先生が生徒に、兄が弟にかなりの暴力を振るところが文化の違いやや時代背景を差し引いてもうけいれがたい。

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2022/11/14

ベトナムの作家さんの小説を読んだのは初めてかもしれない。ベトナムの方というと、細くて小さくて可憐で清純、素朴なイメージがあったのだが、そのイメージを裏切らないような内容だった。小さな田舎の村に住んでいる男の子とその家族、周囲の人達に起こる、日常のちょっとした事件を描いた物語なのだ...

ベトナムの作家さんの小説を読んだのは初めてかもしれない。ベトナムの方というと、細くて小さくて可憐で清純、素朴なイメージがあったのだが、そのイメージを裏切らないような内容だった。小さな田舎の村に住んでいる男の子とその家族、周囲の人達に起こる、日常のちょっとした事件を描いた物語なのだけれど、登場人物たちがみんな愛らしかった。 当地ではベストセラーになり、ドラマ化もされたそう。ベトナムの農村風景を想像しながら読んだけれど、ドラマはアマプラで見られそうなので、映像で答え合わせ(?)してみたい。

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2020/10/07

ベトナムの友人ができたので読んでみた。 神話とか古典によくあるような、出来事と登場人物すべてについて日記のようにつらつらと書いたような形式。 前に読んだ台湾の『あの頃、君を追いかけた』もこんな感じだった。 国によって文学的な傾向があったりするものだが、文学が盛んな地域ではエピソ...

ベトナムの友人ができたので読んでみた。 神話とか古典によくあるような、出来事と登場人物すべてについて日記のようにつらつらと書いたような形式。 前に読んだ台湾の『あの頃、君を追いかけた』もこんな感じだった。 国によって文学的な傾向があったりするものだが、文学が盛んな地域ではエピソードの取捨選択とか起承転結といった構成がしっかりしているように思う。 ベトナムは文学が盛んな地域というわけではないので、小説としてはまだ発展途上、これからだ。 ベトナムはこれまで「市民はこうあるべき」というプロパガンダ的な作品が国の支援によって書かれてきた。 しかし、近代化の中でやっと自由な作品が書かれるようになってきている。 著者はベトナムの農村に住む人々のリアルな様子を描いたことから人気が出たそう。 厳格な父親と家の仕事を手伝う子供たちなど、日本もかつて辿った生活ぶりは、ベトナムを知る上で参考になると思う。

Posted byブクログ